フランス県農民同盟、牛のBtコーン飼育実験の完遂を要求

農業情報研究所

03.11.28

 フランス・メーヌ-エ-ロワール県の農民同盟が、害虫抵抗性の遺伝子組み換え(GM)Btコーンを餌として与えられた乳牛に関して約束された実験を完遂するように要求する書簡を農業・研究・エコロジーを所管する3大臣に送った。この実験は1998年に約束されたもので、これらの乳牛の乳・血液・第一胃内容物を分析しようとするものである。

 98年、Btコーン利用のあり得る影響を知ろうとした農業会議所は、その実験農場の乳牛を畜産学的研究に提供することを受け入れた。半数の牛にはノヴァルテキス社のBtコーンを与え、別の半数は普通に飼育した。目的は牛の成長と乳生産への影響を測定することであった。2000年にはマイナス・プラスのどちらの影響も顕著なものではないと結論された。

 ところが、この実験には、農民同盟・有機農業団体・消費者同盟(CLCV)が要求した別の部分が含まれていた。それは、乳と肉の中のGMOが含まれないかどうかを探ろうとするものであった。2000年に乳・血液・第一胃内容物の200の標本が採取された。ところが、分析をするための計画書がないために、これらの標本は凍結保存された。以来、研究者が分析手続を探るための資金として100万フランが供給されたが、高価な分析のための費用は残っておらず、研究完遂のための資金を出そうとする者は誰もいない。いまやGMOの存否をはっきりさせるEUの新規則ができたのだから、こんな分析は必要ないという口実である。

 かくて3大臣への要求となったわけである。農業会議所も、その当初の立場を一貫させるために、分析費用の供給を求めて介入した。だが、あまりの遅れに、凍結された標本が未だ有効なものかどうか疑問が出ている。

 ニュース・ソース
 OGM:les analyses et les Crédits gelés!,ouest-france.fr,11.28

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