米国農務省、遺伝子組み換え(GM)植物の環境影響分析ユニット設置へ

農業情報研究所

03.12.5

 米国農務省の動植物健康検査局(APHIS)は3日、バイオテクノロジー規制諸部門のプログラム内に環境・生態系分析ユニットを設置すると発表した()。APHISは遺伝子組み換え(GM)植物の環境・生態系への影響の分析に力を注いできたが、GM植物屋外実験の許可申請やこれら製品に対する規制緩和の要請が増加すると予想されることから、これに対応する能力を増強するためという。

 ユニットのスタッフは、科学の進歩に応じ、アメリカの農業・自然資源を保護するために必要なあらゆる防衛措置を確保する。また、2000年植物保護法の下での新たな規制を考慮して、APHISが環境分析を拡張するのを助ける。スタッフはGM植物の屋外実験の環境・生態系への影響を分析することで、バイテク規制課(BRS)の規制と許可条件の開発に寄与する。

 BRSはGMOの導入(輸入、州間移動、環境への放出)の規制に責任を負っている。APHISは10月、BRSがバイテク企業や大学研究機関等の団体の規制遵守を確保するための完全な専用プログラムを策定する、プログラムを担当する新たな班の専門家は、あり得るすべての違反を完全に評価するための基準を使用する、これら専門家とAPHISの検査官は標的を定めて野外実験検査を実行、実験作物の種類に応じ、一栽培シーズンに最低5回は実験サイトの検査を行なうなど、屋外実験の規制を遵守させるための措置を拡充・強化すると発表している(→米国:モンサント等、繰り返されるGM作物実験規制違反、監視強化へ)。

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