ドイツ、GM作物・食品承認へ、政府与党が栽培・販売承認法案に合意

農業情報研究所

04.1.13

 ドイツ政府与党の社会民主党と緑の党が、遺伝子組み換え(GM)作物・食品のドイツにおける栽培と販売を許す法案の内容に合意した。法案は、GM作物の栽培を望む農民のためのフレームワークを確保するとともに、消費者が食品購入にあたって選択できるように保証するものである。法案は2月の閣議で承認される。

 法案はGM食品が明確に表示されるように義務付けている。しかし、組み換え成分が検出されない場合には、GM飼料で飼育された動物と同様、消費者はGM食品と知ることはできない。また、どんなGM作物が、どこで、どのような条件で―非GM作物を汚染の可能性から護るための障壁など―栽培できるかやルール違反の場合の補償も定める。

 緑の党のキュナースト農業・食糧相は、法案は、社会民主党の当初の意図に反し、バイオテクノロジーの促進を狙ったものではないと強調している。遺伝子操作は、消費者保護、倫理的価値、環境的側面に留意されるかぎりでのみ奨励されるという。彼女は、98年秋以来の新規承認の事実上のモラトリアムは、今夏のGMコーンの承認によって解除され、秋にはヨーロッパのスーパーの店頭に並ぶだろうと言う。新たなGM作物・承認の権限はEUにあり、EU各国にはない。このような状況下、緑の党は現実的な選択を行ったものと思われる。

 ただし、彼女自身はGM食品は必ずしも必要がないと考えており、消費者の反発も依然として強いことから、ドイツのビジネスも販売には懐疑的という。承認により、農民が一気に栽培に走ることもなさそうだ。

 ニュース・ソース
 Germany To Greenlight GM Food Labeling,de-world.de,1.12
 Germany drafting law to allow genetically modified crops,AFP,1.12

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