インド特別委員会、農業バイテク利用で勧告

農業情報研究所

04.6.3

 インド・ヒンドゥ紙(*)によると、昨年設置された農業バイオテクノロジー応用に関する特別委員会の委員長・スワナミタン博士が、シャラド・パワー連邦農業相に報告書を提出した。農業バイオテクノロジーの利用を促進・監視するための独立機関として国家バイオテクノロジー規制機関(NBRA)を3年以内に設立することを勧告している。また、最も優先すべき研究分野は、作物の遺伝子改変を助け、害虫やウィルス病を含む病気、さらに干ばつ・塩害に抵抗性をもたせることだという。

 ただし、遺伝子組み換え(GM)は、バスマティ米、大豆、ダージリン・ティーなど、国際貿易に影響を与える作物や商品では行うべきでない、イネのような主要作物の遺伝的多様性の第一級または第二級の中心なす国内の諸地域は、「農業生物多様性の聖域」として、子孫のために保存すべきだとしている。

 指導原理については、「国家農業バイオテクノロジー政策の重心は、農家の経済的福祉、国の食糧安全保障、消費者の保健、環境保護、農産商品の国内・国際交易の安全保障に置くべきだ」と言う。

 関連情報
 インドでGM米を生産してはならない―ヒンドゥ紙掲載意見,04.4.5

 *Biotechnology regulatory authority for agriculture mooted,The Hindu,6.3