欧州委員会、シンジェンタの未承認GMトウモロコシの本格調査へ

農業情報研究所(WAPIC)

05.4.2

 EUがシンジェンタ社の未承認遺伝子組み換え(GM)トウモロコシ・Bt10の本格的調査に乗り出した。4日付のAPの情報(EU Deplores Unauthorized Imports of Maize,AP via yahoo!,4.1)が伝えている。

 それによると、EUの保健担当スポークスマンが4月1日、Bt10に関する状況をはっきりさせるように要求する書簡を米国当局とシンジェンタ社に送った。欧州委員会によると、この種子22ポンドがが研究目的でスペインとフランスに輸入された。2001年以来、およそ1,000トンの食料・飼料がヨーロッパの食物チェーンに入ったと考えられる。欧州委員会は、B10の完全なリスク評価とヨーロッパに輸出された量に関する情報を提供するように求めた。シンジェンタ社に対しては、その存在が諸国政府により検出できるように、Bt10の構造に関する情報を供給するように求めたという。

 欧州委員会も日本政府と同様、Bt10のリスクは無視できるとしてきたが、Bt10が抗生物質・アンピシリン耐性遺伝子を含むという新たな事実が露見(シンジェンタ社販売の未承認GMトウモロコシ 抗生物質耐性遺伝子を含むの報、05.3.31)、改めて調査に乗り出したと思われる。