フィリピン 4種目のGMトウモロコシの販売・栽培を承認 

農業情報研究所

05.8.5

 フィリピン政府が新たな遺伝子組み換え(GM)トウモロコシの販売と栽培を承認した。米国企業が開発したアジア・コーンボーラー(アワノメイガ)抵抗性と除草剤耐性の形質を併せ持つ品種という。(worldgrain.com,8.4-via xinhua;http://www.world-grain.com/newsfinder.asp?Action=UserDisplayFullDocument&orgId=586&docId=l:300403673&topicId=14429&start=4&topics=single)。

 フィリピンは2003年に初めてGMトウモロコシの販売・栽培を承認、今までにモンサント社のGMトウモロコシ今までのモンサント社のGMトウモロコシ3種とシンジェンタ社のGMトウモロコシ1種の販売・栽培を認めてきた。今回の承認で4種のGMトウモロコシが販売・栽培が可能になる。

 フィリピンは、市民団体のハンストを含む激しい反対運動のなかで、アジアで初のGMトウモロコシ栽培国となった。それまでに、モンサント社の違法栽培実験や饗応等による有力者・著名人の買収工作などが暴露されてきた。モンサント社の激しい攻勢にもかかわらず、現在もGMトウモロコシを栽培する国はフィリピンだけである。

 当局者によると、GMトウモロコシは大部分が家畜飼料として利用され、グリーンピース等一部環境団体の反対にもかかわらず、国内市場で受け入れられている。昨年は5万2000fほどにGM]トウモロコシが栽培されたが、これは国のトウモロコシ総栽培面積の2%に相当する。

 フィリピンは昨年、家畜飼料用の小麦54万トンとトウモロコシ1万トンを輸入した。今年の輸入はさらに増加すると予想されている。

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