GM大豆はラテンアメリカの”新植民者”ーGM作物導入の影響の包括的新研究

農業情報研究所(WAPIC)

06.3.17

  先般、カナダの国際NGOGrainの鳥インフルエンザ危機の根源は工業養鶏とする報告を紹介したが(鳥インフルエンザ危機の根源は工業養鶏、野鳥や庭先養鶏ではないーカナダNGOの新研究,06.2.27)、同じNGOが 刊行するseedling誌の本年1月号に、カリフォルニア大学バークレー校のMiguel Altieriとヴェノスアイレス大学のWalter Pengueが、「GM大豆:ラテンアメリカの新植民者」と題する論文を発表している 。

 それは、遺伝子組み換え(GM)作物の唱道者は、GM作物が途上国の無数の貧しい農民の所得と生活水準を引き上げることができると言うが、世界で最も広く栽培されているGM作物であるGM大豆がラテンアメリカの国に反対の影響を与えてきたと言う。この論文によると、GM大豆は、その栽培のために使われる除草剤・グリホサートが雑草だけでなく、豆が窒素を摂るために利用するバクテリアも殺すから、一層多くの肥料を必要とする。また、GM大豆が導入されて以来グリホサートの利用が増加し、今やアルゼンチンの8種の雑草が除草剤抵抗性を示すようになっている。さらに、GM大豆の導入は一握りの者への土地集中を加速し、一層多くの土地が大豆栽培に当てられるようになった。この作物は大部分が輸出用に栽培されるから、地域の貧しい人々の食料安全保障を脅かし、他の形態の農業を追い払ってきたという。

 Miguel Altieri and Walter Pengue,GM soybean: Latin America’s new colonizer,seedling,January 2006
 http://www.grain.org/seedling/?id=421

  この論文は、中国やその他のアジア途上国、アフリカ途上国に先んじてGM作物栽培に突進しているラテンアメリカ諸国にGM作物がいかなる影響を及ぼしているかについて、最新の包括的情報を伝えるものと思われる。これは、これからGM作物の大々的導入に踏み切るかもしれない多くの他の国への警鐘にもなる。このような意味で、論文の 詳細を紹介しておくことにした。

 GM大豆:ラテンアメリカの新植民者

 2005年、バイテク産業とその同盟者は、GM作物栽培面積が10年連続で増加し、9000haに達したと浮かれている。彼らは、GM作物が先進国・途上国の数百万の大小農民の期待に応え、環境的に一層持続可能な一層手頃な食料・飼料・繊維を通じて消費者と社会にも利益を与えてきたと主張する。

 だが、世界のGM作物栽培面積の60%が除草剤耐性作物に当てられているとき、このようなGM作物の拡大がどれほど小農民や消費者の必要の応えたかは想像するのが難しい。途上国では、GM作物は、大部分が国内での消費のためではなく、大規模農民による輸出のために栽培されている。そ の大部分は富裕層が消費する食肉を生産するための飼料として使われている。

 大豆を栽培するラテンアメリカの国にはアルゼンチン、ブラジル、ボリビア、パラグアイ、ウルグアイが含まれる。大豆生産の拡大は、価格、政府、農産工業の支持と、輸入国、特に世界最大の大豆・大豆製品の輸入国である中国からの需要により牽引された。2005年にGM大豆の最大の拡大を見たのはブラジルとアルゼンチンである。この拡大は、大豆栽培が直接引き起こす森林破壊を裕に上回る広大な生物生息地を破壊する大規模な輸送インフラを伴った。ブラジルでは、大豆の生み出す利益が8つの水路、3つの鉄道、広大な道路網の改良または建設を正当化した。これらは、いかなる影響評価にも含まれない生物多様性に厳しく影響する伐採・鉱業・牧畜等への民間投資を引き付けてきた。

 アルゼンチンでは、大豆を油やペレットに加工する農産工業がパラナ川のロザリオ地域に集中している。この地域は世界で最大の大豆加工団地となった。輸出市場に駆り立てられたアルゼンチン政府は、大豆産業の一層の拡大を計画しており、2010年までに既存の大豆生産・1400ha400haが付け加えられる。

 大豆による森林破壊

 ブラジルの大豆生産面積は、1995年以来、年平均で3.2%、32ha、全体で230ha増加した。現在、大豆は全作物のなかで最大の面積を占め、その栽培面積は総耕作面積の21%に達する。パラグアイではこの比率は25%になる。この拡大のすべてが、森林やその他の生息地を犠牲にしたものだ。アルゼンチンでは、10年足らずで非農用地560haが大豆生産に転換、森林の転換率は世界平均の3倍から6倍になる。パラグアイでは大西洋森林の多くが伐採された。ブラジルでは、セラードと草地が急速に耕地の犠牲となった。

  小農民の追い出し

 大豆の拡大は土地と所得の極度の集中につながっている。ブラジルでは、一農場につき11人の農業労働者が追い出された。この現象は新しいものではなく、70年代、パラナ州では250万人、リオ・グランデ・ド・スール州では30万人が大豆生産により追い出された。今は土地なしとなっているこれらの多くの人々は、原始林を切り払ったアマゾンに移住した。GM大豆が拡大しているセラードでは、人口が少ないから、追い出される者は比較的少ない。 

 アルゼンチンの状況は劇的である。ラウンドアップ・レディー大豆が3倍に増える一方で、6万の農場が消えた。98年から2002年までに、国の農場の4分の1が失われた。10年間で、大豆面積は酪農、トウモロコシ、小麦、果実の生産を犠牲にして126%増えた。200304年の栽培シーズン、1370haに大豆が栽培されたが、トウモロコシは290ha、ヒマワリは215ha減少した。大豆面積の巨大な増加と単収の倍増は、バイテク産業にとっては経済的・農学的成功を意味する。しかし、国にとっては、食料主権を犠牲にした基礎食料の一層の輸入を意味し、貧しい小農民と消費者にとっては、食料価格上昇と一層の飢えを意味する。

 ラテンアメリカの大豆拡大は、バイオ政策と多国籍企業の権勢に関係してもいる。ブラジルでは、GM作物のモラトリアムにもかかわらず、02年と03年に数百万haのラウンドアップ・レディー大豆が栽培された。多国籍企業は、その政治的影響力を通して、途上国におけるGM作物栽培を劇的に拡大させた。アルゼンチンにおける早期のGM大豆生産の間、モンサントは農民に特許使用料を要求 しなかったし、要求はしないと言った。現在は、アルゼンチンが自家採種した種子の利用を農民に許す植物新品種保護国際同盟(UPOV78の調印国であるにもかかわらず、政府を通して特許料を支払うように農民に圧力をかけている。パラグアイの農民も最近、モンサントとトン当たり2ドルを払う協定に調印した。

 大豆栽培は土壌を劣化させる

 大豆栽培は、常に、特に長期輪作のない地域で、土壌浸食をもたらしてきた。米国中西部の年間・ha当たりの平均土壌損失は、持続可能なレベルを大きく上回る16トンに達した。ブラジルとアルゼンチンでは、これは管理・傾斜・気候条件に応じて19トンから30トンになると推定される。農業者は、不耕起システムは侵食が無いことを意味する 間違って信じている。不耕起農業は土壌損失を減らすことができるが、除草剤耐性大豆の出現により、現在は多くの農業者が高度に侵食の起き易い土地で栽培している。研究は、土壌被覆の改善にもかかわらず、雑草の覆いが減少すれば浸食と土壌の構造の悪い方向への変化がなお大きくなり得ることを示している。

 大規模な大豆モノカルチャー(単作)はアマゾン地域の土壌を利用不可能なものにしてきた。土壌が貧弱な地域では、大量の肥料と石灰が2年以内に施用されねばならない。ボリビアでは、大豆生産が東方に向かって拡大、多くの地域の土壌が既に固化し、厳しい土壌劣化の被害をこうむっている。大豆が消尽した10haの土壌が牛放牧のために放棄され、それがさらなる土地の劣化を引き起こしている。土地が放棄されると、農業者は再び大豆を栽培する別の地域に移動、土壌劣化の悪循環を繰り返している。

 アルゼンチンでは、集約的大豆栽培が大量の土壌栄養分消耗につながった。大豆の連作で取り出された栄養分は、窒素で100万トン、燐でおよそ227000トンと推計される。肥料を通して失われた養分を補給するコストは91000万ドル(約1060億円)になる。ラテンアメリカのいくつかの河川流域の窒素と燐のレベルの増加が大豆生産の増加に関連していることは確かである。

 ブラジルにおける大豆生産の急速な広がりの中心的な技術的要因は、大豆の窒素固定根粒菌との共生関係が作物を肥料なしで育てることを可能にするという主張であった。企業が農業者に伝えなかったことは、GM種子とセットになったグリホサートがバクテリアに対して直接に有毒で、大豆を化学窒素肥料に依存するようにさせるということであった。さらに、不耕作牧草地を大豆に転換させるという普通に見られるやり方が窒素固定バクテリアの全体的減少に結果し、大豆をまたも合成窒素に依存させるようになる。

 モノカルチャーと生態的脆弱性

 モノカルチャーの拡大により引き起こされる生物多様性の減退と病虫害勃発の関連は確立されている。貧弱で遺伝的に同質的な景観[landscape、直訳すれば”景観”だが、ここでは”風土”とする方が適切かもしれない)は、害虫と病原体 の繁殖のための理想的条件を提供する。これは農薬の使用増加につながり、しばらく後には病害虫抵抗性の発達、あるいは農薬の踏み車の生態系撹乱のために農薬の効き目がなくなる。農薬は、土壌や水の汚染、生物多様性の排除、人間の中毒という大問題も引き起こす。多湿で温暖なアマゾンの条件は、真菌(カビ)の成長にも好適で、殺菌剤の利用を増加させることになる。ブラジルでは、大豆はますます糸状菌や突然死症候群の被害を受けるようになっている。

 大豆サビ病は南米大豆の被害が増えている新たな病気であり、殺菌剤施用が増しつつある。それに加え、1992年以来、200ha以上がダイズシストセンチュウの被害を受けてきた。これらの病虫害問題の多くが、遺伝的画一性や大豆モノカルチャーの脆弱性に関連している。また、菌根菌の機能の低下や多くの土壌病原体をコントロール下に保つ競争者の排除を通してのラウンドアップの土壌への直接的影響にも関連している。

 ブラジルで施用される農薬の4分の1が大豆に使われ、その量は2002年に5万トンにのぼった。農薬使用は年率22%で増加している。バイテク唱道者はシーズン全体でラウンドアップを1回施用するだけでよいと主張するが、研究は、GM大豆栽培地の除草剤施用の量と回数が増加していることを示している。米国では、グリホサートの使用は1995年の630万ポンドから2000年には4180万ポンドに増えた。アルゼンチンでは、ラウンドアップ施用は2004年に1億6000万リットル相当と推定される。除草剤使用は、雑草がラウンドアップ抵抗性を発達させているために、増加すると予想される。

 地域におけるGM大豆収量はha当たり2.3トンから2.6トンで、非GM品種よりも6%ほど低い。また、特に干ばつの条件下で低い。多面発現性効果(高温と水不足の下で枝分かれする茎)のために、GM大豆は非GM大豆よりも25%多い損失をこうむる。2004/05年のリオ・グランデ・ド・スール州の干ばつで、GM大豆収穫量の72%が失われ、これは劇的な経済的結果を伴う輸出の95%減少につながると予想される。大部分の農業者は、既に政府貸付の3分の1の 返済ができなくなっている。

 その他の生態的影響

 バイテク企業は、除草剤耐性作物を作りだすことで、特許付き化学物質の市場を拡大することができる。その市場価額は、1995年から2000年の間に、7500億ドルから8500億ドルに増加した。2002年、除草剤耐性大豆は世界全体で3650haを占め、面積で飛びぬけたナンバー1GM作物となっている。除草剤(特にグリホサート)の販売額は増加を続けている。除草剤の継続使用、特に除草剤耐性作物へのグリホサート使用は、深刻な生態的問題につながる恐れがある。単一の除草剤が繰り返し使用されるときには、雑草の除草剤抵抗性発達の機会が大きく増える。一つまたはそれ以上の化学除草剤族で、およそ216の除草剤抵抗性のケースが報告されている。

 除草剤販売を増加させようとする産業の圧力を考えると、広範囲の雑草に効く除草剤で処理される面積が増え、抵抗性問題を一層重大にする。雑草の抵抗性は、オーストラリアの1年生ライグラス、シバムギ(ヒメカモジグサ)、セイヨウミヤコグサ、セイヨウトゲアザミ、オヒシバ の集団に記録されてきた。アルゼンチンのパンパでは、8種の雑草に抵抗性が記録され、その中のバーベナの2種とイポメア1種は、既にグリホサート抵抗性を示している。

 除草剤抵抗性の問題は、雑草が曝される除草剤の種類が少なくなればなるほど重大化する。GM大豆は市場の力でこの趨勢を強める。実際、雑草集団は一定の除草剤に耐えるか、それを避けるように適応できた。米国アイオワ州では、フジバカマ類の集団が発芽を遅らせ、計画されたグリホサート施用を回避した。GM作物自身が自生雑草になる可能性もある。カナダでは、三つの除草剤(グリホサート、イミダゾール、グルホシネート)に抵抗性をもつ自生カノーラが発見された。農業者は、この自生カノーラを防除するために毒性の強い2,4Dに依存せねばならない。アルゼンチン北部には、グリホサートに対するこの種の組み合わさった、あるいは多面的な抵抗性を示すスーパー雑草がある。

 バイテク企業は、適切に施用されるときには、除草剤は人間と環境にとっての脅威にはならないと主張する。しかし、実際には、GM作物の大規模栽培は、除草剤の空中散布を促進し、散布されたものの多くが漂流と浸出を通じて浪費される。企業は、グリホサートは土壌中で急速に分解され、地下水には蓄積しない、標的外の生物には何の影響もなく、食料、水、土壌に残留しないと主張する。しかし、グリホサートが、蜘蛛、ダニ、オサムシ、ナミテントウなどの有益な捕食者や微小動物や魚を含む水棲生物を含めた腐食性生物に有毒であるという報告がある。

 グリホサートは浸透性除草剤であり(これは吸収され、植物全体に移動することを意味する)、収穫される植物部分に運ばれる。どれほどの量のグリホサートが除草剤耐性トウモロコシや大豆の種子に存在するかは、穀物製品が通常の残留農薬市場調査に含まれないから、正確には知られていない。この除草剤やその他の除草剤が果実や塊茎に蓄積すると知られている事実は、特に米国だけでも1億ポンドものこの除草剤が年々使用されているのだから、食品安全性をめぐる問題を提起する。即時的(急性)の影響がないとしても、これが多くの人々の癌の原因として発見され、発がん性物質である可能性が認められるまでには40年はかかるだろう。さらに、研究は、グリホサートが未だ分かっていない方法で土壌の生態を変え、抗生物質と類似の仕方で作用、次のような影響を引き起こすように見えることも示している。

 ・大豆とクローバーの窒素固定能力を減らす。

 ・マメ科植物を一層病気に弱くする。

 ・植物が土壌から燐を摂るのを助ける有益な土壌中の菌根菌の成長を減らす。

 英国における農場規模評価は、テンサイとナタネの生産圃場の中と周辺における除草剤耐性作物管理が甲虫、蝶、蜂の減少につながることを示した。雑草種子を餌とするオサムシの数もGM作物圃場で少なかった。哺乳動物、鳥、その他の無脊椎動物の食料である無脊椎動物の数も、一般に除草剤耐性テンサイとナタネで少なかった。GM圃場 におけるの開花雑草の欠如は、生き残るために花粉や蜜を必要とする益虫に深刻な影響をもたらし得る。

 結論

 ラテンアメリカにおける大豆の拡大は、ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ボリビアの生物多様性への最近の、そして強力な脅威になっている。GM大豆は、一部はその持続不能な生産要件のために、一部はその輸出が大量の輸送インフラを要求するために、他の作物以上に環境を損傷している。

 除草剤耐性大豆の生産は、森林破壊、土壌劣化、農薬・遺伝子汚染などの環境問題につながっている。社会・経済的帰結には、土地と所得の集中、農村住民のアマゾン地域フロンティアや都市地域への追放、加速する都市への貧民の集中が含まれる。大豆の拡大は、さもなければ教育、保健、その他の別の、一層持続可能なアグロエコロジー的方法()に利用できる政府資金を転用させる。

 大豆の拡大の多面的影響は、食料安全保障の能力も減少させる。以前は穀物、酪農製品、果実に当てられた土地の多くが、輸出用大豆に転換された。これらの国が開発のネオリベラルなモデルを受け入れ、グローバル化された経済の需要に応え続けるかぎり、大豆の急速な拡散が続き、関連した生態的・社会的影響も続くだろう。

 ()他の地域や国に移動でき、短期的利益を求めて自然資源保全に煩わされることなくそれを使い尽くす大規模アグリビジネスに対抗、小農民が提供する環境サービスに報償を与え、必ずしも農業とは限らない農村雇用を創出することを目指す農民的・小規模家族農業と小規模漁業に焦点を当てた代替的農村開発の方法を指す。

 その普及のために、20058月には、ブラジルの土地無し労働者運動(MST)、国際農民運動・ヴィアカンペシーナ、ベネズエラ政府、ブラジル・パラナ州政府がラテンアメリカ・アグロエコロジースクールを設立した。先週、ブラジルのポルト・アレグレで国連食糧農業機関(FAO)がブラジル政府後援の第二回国際農地改革・農村開発会議(ICARRD)を開催したが、それに並行して開かれた世界中の市民団体が組織し・小農民団体など参加した土地、地域、尊厳フォーラムでは、小規模農民団体と環境団体が、農民的・家族農業と小規模漁業に焦点を当てたアグロエコロジカル戦略で一致をみた。今のところ、アグロエコロジー技術は広範な普及を見ていないが、世界の農村地域に急速に広がりつつあるという。

 この論文の著者の一人で、チリで科学専門家として認められ、カリフォルニア大学バークレー校の教授を務めるMiguel Altieriは、アグロエコロジーについて次のように説明している。

 「アグロエコロジーは、地方的条件に応じて適用される生物多様性と持続可能性に基づく生産システムを設計するための一連の原理である。・・・

 病害虫や土壌浸食などの主要農業問題は、浸透性の病気:モノカルチャーか、機能的生物多様性の欠如の症候”である。生物の多様性があるところでは、例えば与えられた生物学的均衡をもって森林作業をするところでは、農薬、肥料、その他の農業化学物質は無用である。

 地方の条件が観察され、研究されねばならないから、単一の方式はないが、基本原理は、論理的・経済的に意味があり、協同作用を促進する多作物栽培である。一例は、穀物と一緒に、窒素を固定するマメ を栽培することである。花粉が必要な機能を果たす花の導入、そして家畜の導入も勧奨される。

 アグロエコロジーは、基本的問題を解決することなくーだから大変なフラストレーションが起きるー、しばしば化学物質投入を生物的投入に替えるだけの有機農業とは異なる。それは、土壌浸食のような環境コストも含むコストを削減するから、商業的競争も可能である。

 小規模農民がモノカルチャーを行う可能性も認める一方、アグロエコロジーは、性質上、先住民のやり方など、一定の伝統的やり方により近い。家族農業は一層効率が高く、その社会的便益も大きいから、アグロエコロジー に高度に適合できる」。

 Agro ecology Gaining Ground,IPS,3.10
 http://www.ipsnews.net/news.asp?idnews=32462