米食品医薬局 食料・飼料向けGM植物の安全性情報の開発早期における提出を勧告

農業情報研究所(WAPIC)

06.6.23

 米国食品医薬局(FDA)が21日、2004年11月にパブリック・コメントに付した開発途上の食料・飼料用向け遺伝子組み換え(GM)植物中の新たな蛋白質の安全性評価に関するガイドラインの最終版を発表した。

 Recommendations for the Early Food Safety Evaluation of New Non-Pesticidal Proteins Produced by New Plant Varieties Intended for Food Use,06.6.21
 http://www.cfsan.fda.gov/~dms/bioprgu2.html

 このガイドラインは、開発中のGM植物が含む新たな蛋白質が食品や飼料に混入する可能性があることから、それが食品と飼料の安全性を脅かすことがないように、開発企業に対し、新たな蛋白質の安全性を評価し、これに関する情報を開発の早い段階でFDAに提供することを勧告するものだ。

 ただし、2004年の草案では、これは義務ではないうえに、提供される情報も新たな蛋白質が含み得るアレルゲンか有毒物質に関する情報に限られていた。また、ワタのような食料・飼料向けではないGM植物、あるいは薬品生産用GM植物はガイドラインの対象外とされていた。

 こうしたことから、環境・食品安全運動団体は、それらが求めてきた栽培前の厳格な義務的テストの貧弱な代替手段に過ぎない、あるいはテストされなかった物質(アレルゲンか有毒物質以外の物質)による食料汚染の法的責任を企業が回避することを許すものだなどと批判してきた。

 米国 実験GM作物の安全性自主評価指針策定へ―世界の消費者をリスクに曝す米国実験作物―,04.11.27

 しかし、最終版も、基本的にはパブリック・コメントに付された草案と基本的には変わっていない。最終版についても、これら団体は、アレルゲンや毒物が実験中に偶然に食品中に入り込むかもしれないという懸念を和らげるものではない、あるいは実際にはテストされない物質による食品汚染を許すものだなどと批判しているという。

 FDA Asks Companies to Vouch for Safety of Their Genetically Modified Plants,soyatech.com,6.22
 http://www.soyatech.com/bluebook/news/viewarticle.ldml?a=20060622-2