農業情報研究所農業バイテクニュース:2013年6月14日

中国がGM大豆輸入を承認 国内伝統品種より品質が優れている 中国紙の報道

  昨日、アルゼンチン政府による情報として中国が新たなGM大豆3種とGMトウモロコシ1種の輸入を承認したと伝えたが(中国がGM大豆3種とGMトウモロコシ1種の輸入を承認 アルゼンチン政府が大歓迎)、今日になって中国紙が、これに関連する情報を伝えている。

 China gives approval to GM soybeans,China Daily,6.14

 それによると、中国農業当局が木曜日(13日)、三つの新たな海外GM大豆に対する生物安全証明書を出し、これらを国内での加工の原料として輸入することを許可した。新たなに承認された大豆は、ドイツBASA社のCV127と極東モンサント社のMON87701およびMON87701 x MON89で、中国生物安全委員会は多くの国で商業栽培または消費が承認されている害虫抵抗性および除草剤耐性大豆だと言っている。

 このニュースは、中国が3種のブラジルGM大豆の輸入を承認したとウエブサイトで伝えたブラジル農業省の月曜日の声明に続くもので、それ自体は日曜日の北京での中国−ラテンアメリカ・カリブ農相フォーラムに参加したブラジル農相が、その翌日確認したという。中国当局の方から何故言い出さなかったのか、すっきりしないが、承認の事実は確かなようだ。

 加えて、ブラジルGM大豆の輸入は以前から両国農相が議論してきたもので、今までに承認されたGM大豆には、ブラジル大豆の主要害虫であるキャタピラー(チョウ、ガの幼虫)に抵抗性を持つRR2 PRO、除草剤耐性のCV127とりバーティ・リンクが含まれるという。

 中国農業科学院の研究者であるHuang Dafangは、中国は国内j需要を満たすために、2003年または2004年からGM作物の輸入を始めた、「現在、米国のほかに、大豆、トウモロコシのようなGM製品の相当部分をブラジル 、アルゼンチンから輸入している」と言う。国内生産では国内需要を量的に満たせないからだけではない、GM大豆は国の伝統品種に比べて脂分や蛋白質が多いなど品質面でも優れているからだという。

 今月6日、今後10年の世界農業情勢を見通すOECD-FAOAgricaltural Outlook 2013-2022が発表された。これは中国に焦点をあてる特別な章を初めて設けているが(http://www.oecd.org/site/oecd-faoagriculturaloutlook/china-2013.htm)、飼料需要の増大で大豆輸入はこの 間に40%増え、世界貿易の59%を占めるようになると予測している。ブラジルも、アルゼンチンも、モンサントも、そしてADMや丸紅も、現地住民の農薬禍やアマゾン森林破壊など知ったことか、中国さまさまだ。