農業情報研究所農業バイテクニュース:2014年5月6日

フランス行政最高裁 MON810禁止令の執行停止を求める生産者の申請を却下

  フランスのコンセイユ・デタが5月5日、モンサントの遺伝子組み換え(GM)トウモロコシ・MON810の商品化・利用・栽培を禁止する3月14日の農業・食料・林業省令の執行停止を求めるトウモロコシ生産者協会と二人の農業経営者の申請を却下したと発表した。

 コンセイユ・デタの急速審理判事(Le juge des référés)は、申請者は判事が行政決定の執行停止を命じるための要件の一つである緊急性を証明できいていないと評定した。とくに、トウモロコシ栽培においてMON810栽培が占める比重が極小であることからからして、この省令が申請者と関連部門の経済状態に重大かつ直接的な損害を与えるとは考えられないと評したということである。

 OGM-Décision contentieuse - Le juge des référés du Conseil d’Etat refuse de suspendre l’arrêté du ministre de l’agriculture interdisant le maïs MON 810,Le Conseil d’Etat,5 mai 2014
 http://www.conseil-etat.fr/fr/communiques-de-presse/organisme_genetiquement_modifie_ogm.html

 なお、同日、フランス議会上院も、2月には否決し・下院が4月15日に採択していたGMトウモロコシ栽培禁止法案を172対147で採択した。法案は、この禁止に従わずに栽培された作物の破壊を命じることができるとしている。  

 Une proposition de loi pour interdire la mise en culture du maïs génétiquement modifié MON810,Sénat,le 5 mai 2014

 これにより、少なくとも今シーズン、フランスにおけるMON810の栽培はなくなった。

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