農業情報研究所(WAPIC)(HOME)

シカゴ商品取引所小麦・トウモロコシ・大豆先物(期近・セツルメント)相場の推移(最近260取引日:09.3.2-10.3.9)

史上最高:小麦=9.24/bushel(08.6.26) トウモロコシ=7.7325/bushel(08.6.16) 大豆=16.58/bushel(08.7.4)
1bushel=27.215kg(小麦・大豆)、25.401kg(トウモロコシ)

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コメント

10年11月19日

トウモロコシの品質への懸念やロシア・フランスの小麦輸出増大により米国トウモロコシ・小麦に対する需要が減るという思惑から、トウモロコシ・小麦が二日続きの下落。

米国トウモロコシについては、生産コストが高止まりするなかで価格が低迷しているために生産者が肥料を節約、蛋白質含有量が減った。日本の飼料生産基準に達しない恐れがある。また、コーンベルトの一部のトウモロコシにマイコトキシンが発見された。そのために、世界最大のトウモロコシ輸入国である日本の輸入先がブラジルとアルゼンチンにシフトしている。今年1−6月、日本は少なくとも50万トンをブラジルから輸入する。これは去年のブラジルからの輸入量の10倍だ。アルゼンチンからも、昨年1年の全輸入量に近い10万トンを買った。

他方、世界最大の小麦輸入国・エジプトがロシア・フランス小麦30万トンを買い入れた。ロシアは輸出を推進、フランスとドイツが競争力を増しているという。

U.S. Corn Concerns Spur Japan to Boost Brazil Imports (Update1),Bloomberg,2.18
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601101&sid=aQVdoZBpbZp4

Corn, Wheat Decline on Signs of Reduced Demand for U.S. Exports,Bloomberg,2.18
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601012&sid=agK0D9XNMlso

シカゴ先物相場が国際価格をリードするとは必ずしも言えなくなるかもしれない。

10年11月13日

12日、米国農務省が月例世界生産・市場・貿易報告を発表した。

http://www.fas.usda.gov/currwmt.asp

生育シーズンの寒さと悪天候による収穫の遅れによる不作という大方の予想に反し、米国のトウモロコシと大豆の生産予想は前月予想から大きく引き上げられた。トウモロコシは2007年の記録を1%上回る史上最高、大豆は2008年の記録を8%も上回ると予想された。干ばつによるブラジル、アルゼンチンの減収分も埋まる。ただし、トウモロコシと大豆の収穫の遅れで、冬小麦作付面積は30年来 の最低になるという。

思いがけない予想で、シカゴ市場におけるトウモロコシ先物相場はストップ安、大豆も急落した。大豆については、干ばつから脱したブラジル、アルゼンチンの収穫予想も引き上げた。米国とその他の主要生産国における在庫が膨張、世界市場価格は低下に向かうと予想される。

飼料価格低下はタイソンやスミスフィールドなど食肉企業のコスト引き下げに働く。他方、Potash Corp、Agrium Inc、Mosaic Coなどの北米主要肥料メーカーの株は大きく下落、モンサントや農機ディーラー・Deere and Co、さらには穀物メジャー・ブンゲ(バンジ)の株も下がったという。

 WRAPUP 3-USDA forecasts record corn crop; futures tumble,Reuters,1.12
 http://www.reuters.com/article/idUSN1212670720100112
 S. Soybean-Crop Estimate Raised as Rain Lifts Midwest Yields,Bloomberg,1.12
 http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601012&sid=aymWaLU5ohK8

09年12月18日

ドルの急騰で10月以来の大幅下げ。

Corn, Soybeans Drop as Dollar Rally Cuts Commodity Investments,Bloomberg,12.17
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601012&sid=a1bTM0pHyOu8

09年12月10日

このところの原油価格下落がエタノール需要を減らすかもしれないという予想からトウモロコシ相場を下方に引っ張っている。

09年11月20日

中国の米国大豆需要の増大を示す11月19日の米農務省週間輸出販売報告を受けて、大豆相場が月曜日、火曜日に続く今週3度目の上昇。報告によると、11月12日に終わる週、米国大豆輸出業者は中国に135万トンを販売した。これは、その前4週間の平均販売量に比べて58%も多い。

このところ、中国への鉄鉱石・石炭輸送需要の増大で海上運賃指数(バルチック・ドライ指数)も急上昇しており、食料(飼料)価格に中国要因がどう影響するか、見逃せない状況になってきたようだ。

09年8月18日

ドル高→米国の輸出減少予想と原油安→バイオ燃料需要減少予想が重なり、小麦とトウモロコシは8ヵ月来の低レベルに、大豆も急落。

09年8月4日

米国中西部の一部で100年来の寒冷な7月。トウモロコシと大豆の生育が遅れるとともに、9月の霜害による減収も予想される。

09年7月2日

米農務省統計局(NASS)が6月30日、6月第2週までのサーベイに基づく09年主要作物作付予想を発表した。主要作物の全作付面積は3億2009万エーカー(1億2836万ヘクタール)で去年よりも390万エーカー(156万ヘクタール)少ないが、大豆に関しては史上最高の7750万エーカー(3100万ヘクタール)で、去年より180万エーカー(72万ヘクタール)増え、トウモロコシも、07年に次ぐ第2位の8700万エーカー(3480万ヘクタール)で、去年よりも100万エーカー(40万ヘクタール)増える。最近の価格高止まりと肥料価格の低下傾向が作付意欲を高めたようだ。

 http://usda.mannlib.cornell.edu/usda/current/Acre/Acre-06-30-2009.txt

これを受け、7月1日のシカゴ商品取引所のトウモロコシ先物価格(期近)は10%も下げ、この4ヵ月で最低のレベルにまで落ち込んだ。大豆も11月限がこの2ヵ月で最低のレベルに落ち込んだ(但し、8月末の米国在庫は32年来の低さになるという農務省の予想があり、期近はなお上昇)。しかし、これは下げすぎだったようだ。トウモロコシは、政府支援さえあれば利益が見込めるまでの原料価格低下でエタノール生産者から、また家畜生産者からの買いが入り、2日の先物相場は反転上昇した。11月限大豆も大幅に上昇した。

 作付面積が増加しても、生産量増加が約束されたわけでもない(これからの天候や自然災害で収量は大きく変わる可能性がある。特に今年は、エル・ニーニョ発生の確立が高まっているという観測がある)。 アルゼンチンのみならず、カナダ農民も、既に史上最悪の干ばつの可能性に怯えている。

 Farmers start to write off year as drought parches Prairie land,Globe and Mail,7.1
 http://www.theglobeandmail.com/news/national/farmers-start-to-write-off-year-as-drought-parches-prairie-land/article1203663/

 穀物や大豆の国際価格が値上がり前のレベルにまで下がる時代の到来は予想し難い。

09年5月21日

大豆:昨年10月以来のブッシェル12ドルレベルにまで近づいた。中国穀物・オイル情報センターのアナリストが19日、中国最大の大豆生産地である黒竜江省の農民がトウモロコシの作付を増やすために、大豆作付を6.4%減らすだろうと発表した。他方、米国農務省(USDA)は先週、次期収穫前の米国の大豆在庫は5年来の低レベルに落ち込むと発表している。

世界最大の油料種子輸入国である中国の大豆総栽培面積は、中国穀物・オイル情報センターによれば、3.7%減る見通しだ。USDAが5月12日に発表した見通しでは、アジア諸国の今年の収穫は1560万トンで、去年を2.5%下回り、中国に対する世界の大豆輸出は、10月1日から始まる販売年度には、現在の販売年度の3750万トンという記録的レベルをさらに1.6%上回り、3810万トンに達する。

中国が備蓄を建設し、家畜飼料と植物油を増産するための輸入を増やしているために、ニューオーリンズ近くと太平洋北西部の輸出ターミナルに向かう米国大豆に対する需要が高止まりしている。中国は4月、前年の348万トンを上回る371万トンを輸入したが、5月の輸入量は400万トンに達すると見られる。新華社は5月18日、国家備蓄に加えるために、政府が黒竜江省から100万トンを追加購入すると伝えた。

 Soybeans Rise to Seven-Month High as China May Reduce Acreage,Bloomberg,5.20
 http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601012&sid=aVvNifC9BWQc&refer=commodities

 [中国の家畜飼料の主体はトウモロコシではなく大豆(ミール)であるという珍説を唱え(日本人の主食は米ではなく豆腐であるというようなものだ)、従って中国の穀物消費は通説のようには増えないという「目からウロコの真の啓蒙書」が現れた。この啓蒙書によると、「中国の輸入増加にもかかわらず、ブラジルからの輸出増加がそれをカバーして、大豆の需給が引き締まったり国際価格が上がったりすることはまったくありませでした。・・・・・・中国が必要とする 程度の量の大豆であれば、ブラジルには十分に生産余力があったということです」。「中国国内での大豆生産量も、91年には972万トンであったものが、2004年には1746万トンまで増えている」。

 しかし、 ブラジルの大豆輸出の増加は、90年代はともかく、今世紀に入ると中国の輸入の増加に追いつかなくなっている(図1)。中国の大豆輸入が最近の需給の引き締まり(世界在庫減少)に貢献しているのも明白である(図2)。そして、実際の大豆国際価格は、08年半ばのピーク時には06年秋に値上がりが始まる前の3倍近くに達し、今も2倍程度になっている。91年には972万トンだった中国の国内大豆生産が04年には1746万トンと2倍近くに増えたと言うが、91年は85年以来1000万トンを超えていた生産量が例外的に1000万トンを割り込んだ唯一の年であり、04年は、93年以来現在(07年)まで、1500〜1600万トン程度で低迷する生産量がたまたま1700万トンを超えた唯一の年だ。増大する穀物=トウモロコシ(家畜飼料+バイオエタノール原料)需要に応じるために、大豆収穫面積も93年以来、低迷したままになっている(図3)。これが「目からウロコ」の実態である。

 こんないい加減なことを書く人が、天下の東京大学大学院准教授におさまり、政府の各種審議会をリードしている。日本の将来は暗い。

(図1)

(図2)

(図3)

小麦とトウモロコシ:中西部の多雨と低温で、小麦は春の作付の遅れと冬小麦の収量低下、トウモロコシは作付の遅れから来る収量低下の恐れから、共に今年年初以来のレベルに上昇。

09年5月7日

アルゼンチンの干ばつによる減収と中国の備蓄増強のための買いで大豆が連日の上げ。

09年4月28日

豚インフルエンザによる飼料需要減少の思惑から、軒並み急落。

09年3月25日

アルゼンチン農家が輸出税に反対して21日から1週間ストライキに。高速道路封鎖や穀物・牛肉の出荷停止で米国大豆に対する需要が増えるという思惑から、大豆が連日の上昇。

09年2月11日

干ばつの中国、南米に多少の雨。

09年2月11日

10日、米国農務省が世界的不況で大豆や穀物の需要が南米の干ばつ等による供給の減少以上に落ち込むという月例予想を発表。その割には小さな下げ。マレーシアでは中国の買いでパームオイルが久方ぶりの急騰(⇒http://www.juno.dti.ne.jp/~tkitaba/prices/cpo.htm

09年2月7日

アルゼンチン干ばつ。ブラジルも乾燥でトウモロコシ14.2%、大豆4.7%の減少と政府予想(5日)。

09年2月6日

価格下落で米国農家が売り控え。ということは、当分はこの辺りが下限か。

09年2月3日

干ばつに襲われたアルゼンチンに多少の雨。作物回復の期待から全面安。

09年1月13日

 12日、09年1月の米農務省世界農産物生産予測が08年12月予測を上方修正。

09年1月10日

  9日、アルゼンチンの猛暑と干ばつで大豆とトウモロコシが、米国農家の冬小麦作付減少で小麦が上昇。

09年1月9日

 8日、このところの値上がりで米国小麦・トウモロコシの輸出販売が急減との米農務省発表。

09年1月8日

  7日、このところの価格上昇で売り渋っていた米国農家が売りに出たために多少の下げ。

09年1月7日

 小麦:日本農水省が6日、米国から10万6000トン、カナダから2万1000トンの買い付けを、ヨルダンも10万トン買い付けを表明。米国農家は、肥料価格は下がったとはいえ現在の小麦価格では採算が取れず肥料投入を削減、今年は減収の恐れがある。パン、パスタなどを作るための米国高質小麦への需要増大の思惑と供給の先行き不安が重なっている。

 大豆:南米は干ばつで不作の恐れ、中国は需要が増大。大連商品取引所の大豆先物価格は急騰している。中国は6日、米国大豆23万2000トンの追加入札を発表。米国の大豆、トウモロコシには小麦同様の供給先行き不安がある。

08年12月25日

 ブラジル、アルゼンチンなど南米の大輸出国の干ばつで供給の先行きに不安。

08年12月17日

 サウジアラビアが来年早々、高蛋白精麦50万トンを買い付けるという報道(ロイター)で、小麦が久方ぶりの急騰。トウモロコシも久しぶりに4ドルに迫る。

08年10月29日

  米国農務省(USDA)が28日、作物生産予測のために農業サービス局(FSA)が農業統計局(NASS)に送った生産者報告作物作付面積のその原表との間の食い違いが発見されたとして、10月10日の最新予測における6つの作物(トウモロコシ、大豆、ソルガム、カノーラ、ヒマワリ、乾燥食用インゲン)の推定作付面積を修正した。減少したのはトウモロコシ:1.2%、大豆:1.4%、カノーラ:1.9%、ヒマワリ:0.8%、乾燥食用インゲン:0.7%で、ソルガムは2.5%増加。但し、トウモロコシは史上2番目、大豆も史上4番目の生産を維持することに変わりはない。同時に世界農産物需給見通しも修正された。トウモロコシと大豆については、供給、利用、期末在庫とも10日の数字から下方修正された。

 USDA CORRECTS OCTOBER CROP ACREAGE ESTIMATES,USDA,10.28
 http://www.usda.gov/wps/portal/!ut/p/_s.7_0_A/7_0_1OB?contentidonly=true&contentid=2008/10/0278.xml

 これを受け、トウモロコシが上昇、大豆も一時9.52ドル(期近=11月)にまで上がったが、後に下げて前日より2セント安い8.90ドルに落ちついた。10月の米国消費者信頼感指数 のかつてない落ち込みが報告され(US consumer confidence hits record low,FT.com,10.28)、飼料用・バイオ燃料用大豆需要が落ち込むと観測された。

08年10月24日

  23日、3日続けて下落していたトウモロコシと大豆が上昇へ。価格下落で既に農家の売り控えが起きている米国中西部で雪と強風。

08年10月21日

 米国やEUの金融救済策が世界的景気後退を抑え、需要が回復するという思惑から、20日、トウモロコシ、大豆が反発上昇。

 最近の価格急落は高騰をもたらしたのが投機資金以外の何ものでもなかったことを立証した、といった説も一部に見られる。しかし、最近の価格急落は、小麦の世界的増産という供給要因とともに、飼料穀物需要のトウモロコシから小麦へのシフト(小麦の相対価格の低下を反映)や金融危機→景気後退→畜産物等不要不急品を中心とする食品に対する需要の減少→食料・飼料原料農産物への需要減少という需要要因を反映したものだ。投機資金が撤退したからではなく、需給の実勢が変わったから急落が起きた。今後天候要因などで小麦が思わぬ減産になれば、また/あるいは、景気が持ち直せば(つまり、いまでの高騰の一因をなした不要不急の食品の、廃棄も含めた大量消費が復活すれば)、価格は上昇に向かう (逆もまた同じ)。

 なお、急落を続けてきたマレーシアのパームオイルも、大豆油価格上昇と今週予想されるOPECによる石油減産の決定に伴う原油価格上昇への期待から、久しぶりに小反発した(CPO(パームオイル粗油)先物相場(マレーシア:BMD:期近)の推移)。

08年10月13日

 金融危機で飼料・食料・バイオ燃料需要の減退が予想されるなか、米国農務省(USDA)が先週末(10日、金曜日)、米国のトウモロコシと大豆の収穫見通しと世界小麦在庫見通しを予想を超えて引き上げたことから、 トウモロコシと大豆はストップ安、小麦も急落。

 USDA:Grain:World Markets and Trade;http://www.fas.usda.gov/grain/circular/2008/10-08/graintoc.asp
  USDA:Oilseeds: World Markets and Trade Monthly Circular;http://www.fas.usda.gov/oilseeds/circular/Current.asp

08年10月7日

  10月6日(月曜日)、金融危機の広がりによる世界的な景気後退→家畜飼料やバイオ燃料に対する需要減少の恐れから、軒並みにストップ安。

08年9月13日

  ブッシュ大統領と議会が7000億ドルの公的資金を注ぎ込む金融救済計画に合意したことで米ドルがユーロに対して急騰、米国穀物に対する世界の需要の減少を恐れて大豆、トウモロコシが急落。

08年9月13日

 米国農務省(USDA)が12日、楽観的にすぎるという見方が有力であった先月の08/09年度米国トウモロコシ・大豆生産予測を切り下げた。米国の予測トウモロコシ生産量は8月予測に比べて547万4000トンの減少で、史上最高であった07/08年の3億3310万トンを2644万トン下回る3億665万トンとされた。世界全体の予測生産量も8月予測を662万トン下回る7億8296万トンと予測され、世界全体の期末在庫予測も1億1238万トンから1億994万トンに減る。07/08年に比べると1351万トンの減少である。米国大豆の予測生産量も8月予測を100万トン超下回る3666万トンに切り下げられた。このところ低下の傾向が目だったトウモロコシが反発。

08年7月20日

  アルゼンチンのクリスチーナ・フェルナンデス大統領が穀物輸出税引き上げ計画への議会の支持を獲得するのに失敗、輸出税引き上げを撤回を求める農民の4ヵ月にわたる抗議で途絶していた輸出が再開され、米国の輸出が減る見通しとなったことから、18日、トウモロコシがストップ安、この12年間で最大の週間下げ幅となった。大豆、小麦も大きく下げた。ただし、アルゼンチンの莫大な国家債務の行方がどうなるのかは知らない。

08年7月15日

 トウモロコシ、上がりすぎで飼料用需要のみならず、採算が取れないエタノール産業からの需要さえ縮み始めた。値上がりの主因を投機マネーの商品市場進出と見てきた人にはお気の毒だが、実需減少には勝てない。以前のレベルに戻ることはなさそうだが、7ドル超は考えられなくなった。

08年7月1日

 6月30日、トウモロコシが急落、小麦も下げた。6月30日午前8時30分、米農務省が中西部洪水後の調査に基づく穀物等の作付・収穫面積予測を発表した。それによると、中西部の洪水にもかかわらず、08年のトウモロコシ収穫面積は予想外に多い。トウモロコシ作付面積は8700万エーカーで昨年の9360万エーカーよりも7%減るが、それでも1946年以来二番目に大きい作付面積だ。生産者は、このうちの7890万エーカーでの収穫を期待しており、これも前年より9%少ないが、やはり1944年以来2番目の記録となる。同時に、トウモロコシと小麦の在庫も予想外に多くなるとされたことから、トウモロコシと小麦が急落した。ただ、洪水による損害もなお不確か、7月10日ころから8月半ばまで(受粉期)の天候次第で収量が大きく減る可能性もある。相場押し上げの圧力は消えていない。

 大豆の作付面積は前年より17%増え、史上3位の7450万エーカーになるが、洪水の影響で収穫面積はその98.1%という洪水前の予測から96.8%(7210万エーカー)に引き下げられた。厳しい在庫状況が予想され、大豆相場は史上最高値に跳ね上がった。

 http://www.usda.gov/nass/PUBS/TODAYRPT/acrg0608.pdf

08年6月27日

甚大な作物被害をもたらした大洪水が収まったばかりの米国中西部が25日夜、またも大雨に見舞われた。最大の産地であるアイオワでは、水に浸かったか、作付けできなかったトウモロコシと大豆の面積は、それぞれ総作付面積の10%(130万エーカー=52万f)、20%(200万エーカー=80万f)に上ると推定され、残った作物も土壌中の酸素欠乏と養分流亡で生育条件は非常に悪い。乾燥で根に酸素が供給されねばならないまさにそのときに、またも大雨。今年の作柄は一層の悪化が予想される。かくて26日、トウモロコシ、大豆、小麦、そろって急伸、トウモロコシ、大豆は一気に史上最高値に跳ね上がった。

 Iowa Crop Losses Estimated at $3B,soyatech.com,6.23
 
Corn, Soybean, Wheat Prices Soar on More US Midwest Rains,soyatech.com,6.26

08年6月14日

米国中西部の大雨による大幅減収の可能性が高まり、13日のトウモロコシ、大豆が急伸、ともに最高値を更新。トウモロコシの高値により飼料が小麦にシフトするという予想や、干ばつによアルゼンチンの小麦作付面積の減少などから、小麦も急伸。

The floods have destroyed acres of corn, soybeans and other crops, prompting worries about a spike in food prices at a time when they already have been rising. "I have real concerns about our agricultural sector," said Gov. Chet Culver (D), who declared 83 of Iowa's 99 counties disaster areas.(Iowa Flooding Rivals 1993 Deluge,The Washington Post,6.14)

08年6月11日

10日のトウモロコシ、期近:6.732$/bu、08年9月:6.866$/bu、08年12月・09年3・5・7月:7$/bu超え。原油価格=120$/barreで補助金ありの場合のエタノール生産の原料トウモロコシ価格採算ラインは6.81$/buとされているから(シカゴ商品取引所バイオエタノールとトウモロコシの先物相場の推移(〜08.5.30))、エタノール生産は、補助金があっても、もはや経済的には成り立たないということだろう。

08年6月6日

大雨で米国中西部の一部畑が水浸し、作付けの遅れと不作の恐れからトウモロコシが史上最高(期近=6.432$/bu)を記録、大豆もこの12週間における最高(期近=14.520$/bu)を記録。小麦も、米国最大の冬小麦生産州であるカンザスの強風・降雹被害の予想で、この2ヵ月で最高の上昇幅。

08年5月9日

中西部の悪天による作付けの遅れから米農務省が生産予想を下方修正したことで、トウモロコシが市場最高値(期近:6.19ドル)に。

08年4月11日)4月9日、米農務省(USDA)が最新の世界穀物生産・市場・貿易貿易報告を発表。米国のトウモロコシ4月予想消費量(2007/08A)が前月予想消費量(2007/08M)より大きく増えたこと(2007/08M)から、予想期末在庫量が大きく減った。10日のシカゴ商品取引所トウモロコシ先物(期近)は、4月3日の史上初めての6ドルをさら超える6.05ドルに。

08年4月4日)寒さと雨で米国中西部の畑が水浸しになり、作付けが遅れる恐れが出たことから、作付面積減少の予想(米国作付予想 大豆の大幅増加にもトウモロコシが減少 飼料・畜産物価格上昇に拍車)で既に急騰していたトウモロコシが、遂に史上初めて6ドル に。

08年3月8日

植物油の国内価格が記録的に下落したために中国輸入業者が一部輸入契約を廃棄したという中国からの情報で、大豆がストップ安、05年7月以来最大の週間下げ幅。

他方、トウモロコシも、食品・飼料価格高騰への恐れからエタノールへの政策的支援がしぼむという思惑から、やはりストップ安。

ブッシュ大統領は3月5日の再生可能エネルギー会議に向け、エタノール用利用の増加によるトウモロコシ価格上昇が消費者の食品向け支出を増やしていると、農業廃棄物、木材チップなどからのエタノール製造方法の開発を強調した。バーナンキ連邦準備理事会(FRB)議長も先月28日、エタノール輸入関税廃止が食品価格上昇を抑えるのに役立つと語った。こうしたことが、エタノールへの政策的支援が後退するのではないかという思惑を生んでいる。

 Soybeans Plunge by Daily Limit After China Cancels Soybean-Oil Purchases ,Bloomberg,3.7
 Corn Falls Exchange Limit on Speculation Support for Ethanol May Be Fading ,Bloomberg,3.7
 Bush Urges Action on Corn Price Rises Fueled by Ethanol ,The New Yiork Times,3.5

08年2月16日)20%近い国内インフレと闘うために輸出税かその他の輸出規制で販売を抑制するというカザフスタン農相の発言で、小麦が一日当たりとしては最大の上げ幅を記録。カザフスタンは穀物大輸出国の一つで(下図)、同じような輸出国のロシア、アルゼンチンはすでに輸出規制に踏み切っている。EU、オーストラリアは不作続きで、米国がどう頑張っても、世界輸出の減少は避けられない。 基礎食料を自給できない国には食料危機が迫っている。日本は、米さえ食べる気になれば、当面食いつなぐことはできようが。

08年2月16日)中国南部・北西部を襲った大雪で1000万ha以上の農地に被害。170万haは収穫不能。特に菜種の被害が甚大で、採油用大豆の需要拡大を見越してシカゴ大豆先物も一段の急騰。

なお、マレーシア・パームオイル、パリ・菜種も連動して急騰、もはやこれらを原料とするバイオ燃料産業は存立基盤がなくなるだろう。

CPO(パームオイル粗油)先物相場(マレーシア:BMD:期近)の推移
 

08年1月24日)23日、米国景気減速がバイオ燃料・食料・家畜飼料用需要を減らすという思惑から、急騰を続けてきた大豆、トウモロコシが急落。

08年1月12日)11日、米国農務省(USDA)が、米国トウモロコシの生産予測を昨年12月に比べて240万トン下方修正する一方、需要予測を630万トンも上方修正したことを受けて、トウモロコシがストップ高の高騰。

 世界穀物等需給の推移と見通し(USDA:08.1.11発表)

 

07年12月27日)26日、世界的需要増大→在庫払底 とアルゼンチンの干ばつ予想を背景に大豆とトウモロコシが急伸、大豆は1973年以来の12ドルを突破(12.2075ドル/ブッシェル)。米国における小麦を犠牲にした大豆作付(来年4−5月に播種)の増加予測で、このところ下落気味だった小麦も反騰。

07年12月22日)21日、トウモロコシがこの9ヵ月、大豆がこの34年における最高に―アルゼンチンの干ばつ不作予想。小麦は米国冬嵐の降水で干ばつの恐れが減り、この2ヵ月で最大の下げ幅。

07年12月17日)先週木曜日、2022年までに年360億ガロン(1億3600万kl)のバイオ燃料利用を義務づけるエネルギー法案を米議会 上院が承認したことを受け、トウモロコシが急伸、17日には 2月につけたブッシェル・4.3450ドルを上回る4.3875ドルの記録的高値に。 このエネルギー法案は、360億ガロンのうち210億ガロンはバイオディーゼルか、セルロース系エタノールとしているが、それでも残り150億ガロンの大部分はトウモロコシ原料エタノールになり、これは現在の生産量の ほぼ2倍に相当する。

ただ、高騰しているのはトウモロコシだけではない。小麦は9月26日の史上最高値を超え、大豆も史上最高に迫っている。FAOは17日、基礎食品の前例のない価格高騰で輸入食料品総コストが前年を25%(1億700万ドル)上回ると推定され・食料安全保障を脅かされている低所得食料不足国(LIFDCs)に対する短期緊急支援(地方食料増産のための種子・肥料等資材供給)と同時に、長期的食料安全保障に必要な水管理、農村インフラ、土壌改良などへの投資を要請した。既にいくつかの国で食料暴動を引き起こしてきたこの歴史的価格高騰は、歴史的な低レベル在庫、気候変動に結びついた干ばつと洪水、石油価格高騰、バイオ燃料用需要の増加に引っ張られたものという。

 FAO calls for urgent steps to protect the poor from soaring food prices,FAO,11.17
 http://www.fao.org/newsroom/en/news/2007/1000733/index.html

07年12月13日)トウモロコシが6月以来の最高値(4.1675ドル/ブッシェル)に。米国のサプライム問題を発端とする金融不安を沈静するために各国短期金融市場に大量の資金を供給するという12日の米欧5中銀緊急声明がインフレ・ヘッジとしての商品に対する需要をあおるという思惑が働いたとされる。

 Corn Rises to Highest Since June on Increased Demand for Inflation Hedge ,Bloomberg,12.12
 http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601012&sid=ayU0Ud.69Om8&refer=commodities

07年12月11日)週が明けても全面続伸。トウモロコシも4ドル突破。ドル安による輸出増加が最大の買い要因。ただし、絶対的価格レベルのこの高さは、原油同様、投機マネーの商品市場参入(金融商品化)によってしか説明できない*

 *例えば、→The cause and effects of wheat inflation,Hindu Business,12.11  

07年12月8日)7日、大豆が遂に11ドル突破、小麦も9ドル突破、トウモロコシも3.9950ドルと限りなく4ドルに近づく。

07年12月5日、12月6日訂正)4日、トウモロコシがほぼ4ドルにまで急伸。世界的な飼料需要の拡大とラ・ニーニャに伴う南米の干ばつ不作予想が主因とみられる。

 米農務省(USDA)が4日、米国輸出業者のメキシコへの545,084トンの販売契約を発表した。USDAの先週の発表では、8月31日までの12ヵ月間の米国のトウモロコシ輸出販売は、既に前年を37%上回っていた。

 アルゼンチンからの小麦輸出減少(最近の凍害で、アルゼンチン政府は12月5日に予定していた輸出制限解除を12月20日まで延長)、南米の干ばつに伴うトウモロコシの減産予想が米国のトウモロコシとソルガム(飼料)に対する需要を膨張させるだろうという思惑も、この急伸を手伝った。これに連動して、小麦も10月4日以来2ヵ月ぶりに9ドル 直前にまで上昇している。

 (07年11月29日記)先週金曜日(11月21日)、大豆が1ブッシェル当たり12ドルを超えた1973年以来となる11ドル代に乗せた (それに連動、マレーシアのパームオイル粗油=CPOの先物相場もトン当たり3000リンギを越える歴史的レベルに達した。今や、CPOも国際投機マネーの格好の標的となった)。88年、04年にも10ドルを超える急騰があったが、今回はそのレベルを超えたことになる。問題は、このような高価格が、予測できるかぎりの将来にわたり続きそうだということだ。というのは、過去の急騰は、いずれも異常気象や干ばつによる一時的な供給逼迫が原因だったのに対し、現在の急騰は、供給に大きな異変がないなかでの人口増加や所得向上に伴う世界、特に中国における需要の持続的増加という構造的要因がもたらしているからである。

 1973年の急騰は、エルニーニョ現象のためのペルー沖のカタクチイワシ漁獲量の激減(→配合飼料用魚粉の不足による、とくにヨーロッパの代替大豆需要の増加)や米国の干ばつによる凶作とそれに伴う禁輸などが原因だったし、88年、04年の急騰も米国、南米における干ばつがもたらしたものだった。

 現在の大豆価格高騰の背景に、主要消費国である中国の生産の低迷や減少(高騰しているとはいえ、中国農民にとってはなお安価な米国・南米大豆の穀物メジャー等を通しての大量輸入ーWTO加盟が主因)、バイオエタノール用需要や小麦・大麦等飼料穀物価格の高騰で飼料用需要が急激に伸び、価格が高止まりしているトウモロコシへの米国の作付のシフトなどの供給制約要因があるのは確かだろう。大豆価格高騰にもかかわらず、現在のトウモロコシの価格では、 米国農家の利益はなおトウモロコシの方が大きい。南米での増産はあっても、中国や米国の減少を十分に埋め合わせることはできない。

 だが、このような供給増加の制約の中での需要の持続的増加で需給が逼迫、危機的状況がいずれ訪れるだろうことは、既にずっと前から予想されていたことではある。バイオ燃料ブームを現在の価格高騰の主犯に見立てることが流行っているが、バイオ燃料ブームは、人口増加と経済成長がもたらす世界食料需要の増加に世界食料生産能力が追いつけなくなるだろうという将来の食料をめぐる危機的状況の実現を速めただけである。バイオ燃料の消長にかかわらず、いずれ訪れる食料危機にどう対処すべきか、それが現在の価格急騰が突きつけている基本的問題である。バイオ燃料にメリットがあるとすれば、この問題意識に目覚めさせ、それを高めたということかもしれない。

 下図は、米農務省の最新(07年11月12日)の油料種子世界市場・貿易報告(http://www.fas.usda.gov/oilseeds/circular/Current.asp)、及び穀物世界市場・貿易報告(http://www.fas.usda.gov/grain/circular/2007/11-07/graintoc.asp)による。