ケアクリニックとは

口腔ケア専門の吸引機がどうしても必要だと思い

2000年に介護用小型吸引機ケアクリニックを作りました。
今では多くの方に使っていただき口腔ケアのお役に立てもらっています。

 

ケアクリニックと口腔ケアセット

 

現在ケアクリニック、ケアクリニックⅡは無くなりましたので

吸引機を希望される方はケアクリニックオーラルを

代引き送料込みを46000円で送らせて頂いております。

吸引機能はかわりませんが水のでる容器はありません。

メールにてお申し込みください。

kicyuu@yahoo.co.jp

 

 

ケアクリニックを製作したきっかけとなった訪問診療を
日本テレビザ・ワイド(H18年1月12日木曜放送)で取り上げていただき

多くの反響をいただきました。ありがとうございました。

 

ケアクリニック

ケアクリニックが無くなり、ケアクリニックを作った頃には

無かった吸引機がいろんな会社で生産されてきましたので

もう吸引機を作るつもりはなかったのですが

使っていただいている方々の熱心なご要望で

ケアクリニックを作りました。


少量生産で全く採算がとれないのですが、

少しでもお役に立てればと作ったものです。

 

厚生労働科学研究長寿科学総合研究事業
「高齢者における口腔ケアのシステム化に関する総合的研究」
において口腔ケア支援機器として採用され国内外の論文にも
発表されています。

介護用吸引機ケアクリニックの用途

  歯科訪問診療、歯科衛生士訪問口腔ケアにて
バキューム、水銃の代わりになります。
(吸引力は歯科医院のバキュームくらい)

 高齢者、身障者、術後など
ご自分で歯磨きができない方の口腔清掃が
介護施設、病院、ご自宅のベットサイドで手軽にできます。

 吸引力が調整でき簡単に汚物を捨てられます。

 東京医科歯科大学、山崎統資先生のe-Bruh
黒岩恭子先生の吸引くるリーナ・吸引ブラシ
その他、サクションスワブ・サクションブラシ等
吸引アイテムに接続して使えます。


吸引くるリーナ・吸引ブラシ


e-Brushe-Brush


サクションスワブ・サクションブラシ

 

 

 

これはくるリーナブラシを開発された有名な黒岩恭子先生に届いた
患者さんのご家族からのお手紙です。
先生が幼な子のように喜んで、わざわざ写真に撮って送ってくださいました。
幾度か私もこのようなお手紙をいただきましたが、
ほんとに涙が出るほど嬉しくて何度も何度も読み返してしまいます。
介護に携わるのは大変ですが、患者さんや患者さんを
一生懸命支える周りの方々に感動を戴くと充実した
ありがたい気持ちでいっぱいになります。


口腔清掃にお困りの方、メールにてご相談下さい。
予定が合えばどこでも口腔清掃に伺います。
(勿論費用は一切要りません)

ケアクリニックに関するデモや口腔ケアのお話もさせていただきます。

その他ご意見ご質問等気軽にメールをしてください。

 

ケアクリニックの詳細

個人的に作ってもらっている手作りのようなものですが、現場での使い勝手を追求しています

 

《吸引力》
 歯科医院で使用されているユニットのバキュームとほぼ同じ吸引力です。

《軽量、コンパクト》
 DH(歯科衛生士)さんが単独口腔ケアに持ち運べるように2リットルのペットボトルほどの重さで、
自転車のちいさな前かごにもすっぽり入る大きさと、軽量、コンパクトを追求しました。

だから、手軽に持ち運べて、病室の狭いワゴンにも置けます。

 

 

 

 

 

《無段階調整機能》
 無段階調整ができますので、用途に応じて強さを変えることができます。
治療中にいちいちスイッチをON /OFFにするのが面倒ですのでメモリをまわすだけでモーターの始動、停止が行えます。

 


《耐久性と安全性》
 施設のようなところで多くの方にも使っていただけるように72時間連続運転を行っても耐えうるモーターを使用し、
製品内温度が110度になると自動的に運転を止めるよう自動運転停止装置を装備しました。
(長持ちと安全と患者負担軽減のため15分以上は連続運転をしないでください。)
 
《手軽で廉価》
 「寝たきりの方のブラッシングは特殊な技術と知識が必要でリスクが伴うからどうも・・・」
と経験が無く消極的なDHもケアクリニックがあれば、これまで診療所で
ブラッシングしてきたテクニックを生かしてすぐに訪問口腔ケアに取り組んでもらえます。
そしてそのテクニックを個々の日頃介護をされている方々に伝授していくことによってl、
ご家族や施設のヘルパーさんでも充実した口腔ケアをしていただけます。
また歯科往診用バキュームは、とても高価で重量もありますが、
ケアクリニックなら衛生士さんが一人で訪問されるときにも使えます。
価格的にも、負担の少ないものにしています。


《使用時の音》
 コンプレッサーでなく、モーターにファンを接続して吸引力を得ているので、力はありますがまさにその音は掃除機そのものです。
しかし、通常のブラッシング時は低出力の弱い吸引力で十分ですのでさほど音も気になりません。
タービン、超音波スケーラーを使うときは、高出力が必要でかなりの音がしますが、
治療中と同様にタービン、スケーラーの音によって気になることはありません。


《使用後は簡単に水を捨てることができます》
 訪問や施設、病院ではできるだけ手間と時間は省きたいものです。簡単にカップがはずせて水が捨てられます。

 

水切りもいいので手を汚しません。

 


(カップは600㏄の容量を有し、満水の場合のストッパーが付いてはいますが、必ず、水位三分の一位で水を捨てるようにしてください)

《注水器》
 歯科ユニットのシリンジに近いよう、少量の水が勢いを伴って注出される工夫しました。
先の部分は角度を変えることができます。



《コードは3メートル》
 だから延長コードはほとんどいりません。

《病室では・・》
 病院に入院されている患者さんの往診を行うときに、病室に設置されている痰を吸うためのきょ痰器を代用されたことはありませんか?
私は時折そうしていました。看護婦さんが患者さんの口をゆすいだりするときも使っておられます。が、
元来痰を吸うものですから先端のチューブが細くて使いにくいものです。
そこで、ケア・クリニックのハンドルはきょ痰器のホースにもつなげるようジョイント部分に角度をつけましたので
狭い病室にはハンドルと口チップだけを持っていって頂けば、うがいの助けになります。 

 

ケアクリニック製作経緯

私が訪問治療を経験したのは開業して間もなくの頃でした。

ある患者さんから「寝たきりの母が『口の中が痛い』と言うのですがどうすればいいですか?」

と相談を受け、その日診療が終ってから伺って診せてもらったのが始まりです。
 お母さんは折れた歯の鋭利な先端で舌や頬粘膜を傷つけてみるからに痛そうな様子でした。

翌日技工用のエンジンを持って行って鋭利な部分を丸く形成すると痛みは嘘のように無くなり大変感謝されました。

その時寝たきりの人はこんな些細な事で大変な苦痛を抱えるのか・・・
と同時にこんな些細な事で大きな役に立てるのか・・・と感じました。


 これが訪問治療を始めたきっかけです。

往診を重ねていくうちに、寝たきりの人にとって歯科治療や口腔ケアが如何に重要であるか、
又、口腔ケアが如何に大変であるかが分って来ました。

遠い昔バージニア・ヘンダーソンという看護士さんが「看護の基礎となるもの」という本の中に
[介護のレベルは、要介護者の口を見ればわかる]という言葉を残されています。
 これは要介護者にとって口腔領域の衛生が肉体的、精神的、社会的健康において大変重要だからです。
 そして、目立ちにくい、気づきにくい、手入れがしにくい口腔領域のケアがきちんとされてこそ
本当の介護だという意味も含まれていると思います。

特に自分で口をゆすげない寝たきりの人の口腔ケアは、多くの手間と高い技術を要しリスクを伴います。

私自身、このようなケースの口腔ケアは随分苦労し、試行錯誤を繰り返しました。


そしてたどりついたのが吸引機と注水器を用いた口腔ケアでした。

このようなケースの場合、患者さんの口に入る水が口腔ケアを難しくしている・・・といっても過言ではありません。

口さえ開いてもらえば歯磨きは出来るのですが、口の中に水が溜まることによって、
誤嚥の危険性が生じ、患者さんに苦しみを与えます。
 ですから水が溜まる度に頻繁に口をゆすいでもらうことになります。
 この口をゆすいでもらうための、起きあがらせる、水を含ませる、出させる、という作業が大きな手間と時間をとり、
術者にとっても患者さんにとっても大変な負担となります。 
 また万一、衣類や布団が濡れるようなことがあれば、着替えやシーツ交換も必要となってしまいます。
 また、このような苦労をしても、口をゆすぐ行為が十分できなければ汚れを洗い流せずに、思うような結果を得る事ができません。
 労多くして益少なし・・・これが口腔ケアでした。
 如何に水の処理をするか・・・のヒントは日頃の診療にありました。

昔モリタ製作所が出したスペースラインという診療台と同じ発想ですが、
バキュームと3wayシリンジによって寝たままの状態で水の処理やすすぎが簡単にできます。
 私はいろんな方法を試した後、掃除機と梅酒を作るビンと噴霧器を改造して自家製のバキュームと3WAYシリンジを作って口腔ケアを始めました。

口中にべったりと付着している汚れが歯ブラシで落とす後から吸引機に吸い込まれていく様は痛快です。

すすぎの段階で吸引機を用いながら噴霧器で洗い流せば患者さんに負担をかけずにきれいに仕上げる事ができます。

初めて患者さんに用いた時には、飛び上がりたいほどの喜びを感じました。

 

ところが、自家製品は量も高く見た目も悪いので、常時持ち歩くわけにはいきません。

自家製品を改良したり、既製品を探したり、メーカーに依頼もしましたが思うようにはなりませんでした。

「なぜ口腔ケアに関心が薄いのか」「なぜ口腔ケアに適した製品がないのか」

そんな悶々とした思いの中「自分で思い通りの製品を作ろうか・・・」と冗談半分に考える事も幾度かありました。

そうこうして10年ほどの歳月が経ったある日のことです。

訪問診療をしているAさんの息子さんから電話をいただきました。

「さきほど父が永眠いたしました。大変お世話になりました。父も喜んでいると思います」

いつもは、ご家族からこのような電話をいただくと、寂しさのなかにも責任を果たした充実感を感じるのですが、この電話は私に後悔を残しました。

長年自宅で高齢のため寝たきりのAさんは、無歯顎で、きざみ食を鵜呑みにして、
横目でテレビを見るのが唯一の楽しみ・・・という生活をしていました。

しかし、私が訪問治療に伺って義歯を入れるようになってから普通食を食べるようになり、
調子がいいと台所まで歩いて家族と食事をしたり、食卓で時折好きな甘栗を一人剥いて食べるようになりました。

 

治療も終って半年ほどたったある日、近くを通りかかった私は様子を見るためにAさん宅に寄ってみました。

Aさんは一週間ほど前から体調を崩し話もできない状態でした。

そして口の中は義歯が入ったままひどく汚れていました。

私はAさんの口から義歯を取り出し、洗って「元気になったら又入れましょうね」と枕元におきました。

するとAさんは口を開けて指差し、義歯を入れてくれと身振りで訴えます。

「口の中が汚れてるから明日道具を持ってきて、きれいにしてから入れてあげるよ」と説得しても聞き入れません。

根負けした私は仕方なく汚れたままの口に義歯を戻して帰ってきました。

Aさんが亡くなられたのはそれから数時間後の事だそうです。

Aさんはきっと義歯を入れたまま逝きたかったのでしょう。

私は最後に汚れたままの口で送った事をとても悔やみました。

そして自分で製品をつくる決心をしました。

電気屋さんやホームセンターや図書館に足しげく通い、試作品を作り、
これという物の図面を起こして町工場で作ってもらいました。

 

節約の為、取扱説明書から製品を入れる箱、製品に張るシールにいたるまで全て自分で手がけました。

素人が物を作るのは楽ではありませんでしたが、私は介護に携わるようになってから心のどこかで

「生きているうちになにか良いものを残したい」という想いを懐くようになりました。

そんな想いでケアクリニックを作りました。

ケアクリニックによる口腔ケアが、りん落感に苛まれ、先に希望の少ない無味乾燥な闘病生活を送っておられる
患者さんや患者さんを支える人々に僅かでも役に立てれば倖せです。

 

訪問の仕事は主にお年寄りとか重篤な病気の方が対象で、口腔ケアは患者さんが亡くられるまでのおつき合いになります。
だから始めは、亡くなられる度に「せっかく心が通ったのに・・親しくなれたのに・・一緒にがんばったのに・・・」
などと、無力感にさいなまれたり感傷的になっていました。
 しかし、患者さんとふれ合っているうちに 「なんかええもん残せたらいいかな?」って思えてきたのです。
 そこから、僕の中になえの会が発足しました。
たとえひたすらに海に降り続けてそのまま海に消えてしまう決して積もること無い雪のような人生であっても、
 人にでも、自分にでも、世の中にでも・・・物でも、言葉でも、思い出でも、
なんでもいいからんかえもんしていければ・・・のなえの会
自分の心の中で育むだけの会です。ケアクリニックはそんな苗の会から生まれました。