不耕起＋冬季被覆作物が熱帯土壌の養分保持に最も有効―新たな国際研究

不耕起＋冬季被覆作物が熱帯土壌の養分保持に最も有効―新たな国際研究

08.7.29

　ブラジル、フランス、米国の国際研究チームが、冬季の被覆作物と併せた不耕起管理が熱帯土壌の養分保持に最も有効とする新たな研究を発表した。研究チームは、ブラジル南部の熱帯土壌での19年間にわたる作物生産で、様々な被覆作物、輪作、耕起の土壌有機炭素貯蔵量への影響を研究した。

　ピア・レビュー国際誌・”Agronomy Journal”の08年7-8月号に発表された研究結果によると、多量の作物残滓が年々土壌に戻される冬季被覆作物を含む輪作に結合した不耕起管理が土壌有機炭素ストックを最大に維持し、また熱帯・亜熱帯地域の天然林に最も似た条件を作り出す。

　熱帯土壌は耕作により急速に（温帯土壌に比べ）栄養分を失うのが通例である。多くの途上国が食料不足に悩む一方で土壌劣化が急速に進む今、研究者はこの作物管理が熱帯・亜熱帯農業を一層生産的で持続可能にすると期待している。