国内28例目の狂牛病の疫学調査結果発表 感染源究明の努力は放棄したのか
06.9.4
国内28例目の狂牛病の”疫学調査”結果が発表された。
農水省:BSE患畜(28例目)に関する情報(BSE28例目の疫学調査第2報)(06.9.1)
農水省:BSE患畜(28例目)に関する情報(BSE28例目の疫学調査第1報)(06.8.28)
またもや肉骨粉は給餌されておらず、魚粉以外の動物蛋白質を含む飼料は代用乳(渇ネ学飼料研究所高崎工場製造の代用乳・ミルフードAスーパー)だけだ。この牛が肉骨粉全面禁止以前の99年11月生まれだったことから、これまで通り、”交叉汚染”による感染で、新しいことは何もないと片付けられるのだろう。
ただ、交叉汚染説は、十分な交叉汚染防止措置が講じられていなかったという一般的状況からの推測にすぎない。個々のケースが与えられたどのような飼料がどこでどのように汚染されたのかを調べない調査が”疫学調査”の名に値するのだろうか。なぜそのような調査をしないのだろうか。
大量に生産され、輸入されていた肉骨粉が、これまでの狂牛病の1ケース(22例目)にしか給餌されていなかったということも腑に落ちない。どこでどう消費されていたのだろうか。それも問題だ。
大部分の狂牛病の感染源は肉骨粉だというのが通説となっているが、それを護持したいのなら、少なくともカナダ食品検査局が最新のケースの調査で一つの牛飼料のバッチの禁止物質による汚染を可能にしたかもしれない営業飼料施設が見つけたように(カナダ 7例目狂牛病調査結果 非常に僅かな汚染機会でも定期的感染の可能性,06.8.25)、一定の裏付け調査がなされねばならない。そうしないと代用乳が感染源ではないかという恐れもいつまで経っても払拭できない。肉骨粉全面禁止後に生まれた牛の狂牛病は今後も発見されないだろう、ときが問題を解決してくれると決め込んでいるのだろうか。
関連情報
国内27頭目の狂牛病患畜の疫学調査結果発表 すべてに共通な動物性飼料原料は動物性油脂,06.6.6