カナダ、新たな狂牛病患畜は2000年生まれか 問われる97年フィードバンの有効性

農業情報研究所(WAPIC)

07.2.9

  昨日伝えた(カナダ生まれの牛10例目の狂牛病確認 アルバータの非去勢雄牛,07.2.8)カナダ生まれ10例目の狂牛病のケースは2000年の生まれらしいという報道がある。カナダ食品検査局(CFIA)の獣医官が、この牛の所有者から提供されたさしあたりの情報では、この牛が2000年生まれの可能性が高いと語ったという。

 CFIA: Latest Canadian BSE Case Likely Born In 2000,Cattle Network,2.8

 もしこれが正しければ、1997年の”フィードバン”が実施されてから2年半から3年以上後に生まれた牛は、2006年1月に6歳ほどで狂牛病が確認された2頭(5、6例目)に次ぐ3頭目となる。交叉汚染による感染の可能性が高いとされた4例目とともに(カナダ4例目の狂牛病感染源 交叉汚染飼料の可能性が高いという調査報告,06.3.6)、反芻動物への哺乳動物蛋白質の給餌を禁じるだけで、豚や鶏の飼料やペットフードへの特定危険部位も含むこれら蛋白質の給餌を許した部分的フィードバンの有効性(の程度)を改めて問う。

  なお、この狂牛病発生の知らせを受け、ジョハンズ米農務長官は調査のために専門家をカナダに派遣したが、3月12日までのコメント期間をつけて提案している30ヵ月以上のカナダ産牛の輸入を許すという新たなルールに影響を与えることはなさそうとしている。

 Statement by Agriculture Secretary Mike Johanns Regarding a New Detection of BSE in Canada,07.2.8

しかし、二つの主要肉牛団体、R-CALFと全米肉牛飼養者牛肉協会(NCBA)は、これは[カナダにおける]狂牛病”蔓延”(epidemic)の証拠”と非難し、またさらなる情報を要求しているという。

  Latest Canada Mad Cow Case Shows Epidemic,Cattle Network,2.8