カリフォルニア州議会 米国初の温暖化ガス排出制限法案

 農業情報研究所(WAPIC)

06.4.4

  4月3日、米国カリフォルニア州議会に二酸化炭素やその他の温暖化関連ガスの排出量に制限を課す法案が提出された。法案は2020年までに温暖化ガスの排出量を25%、1億4500万トン減らし、1990年レベルに戻すように要求する。この目標は、昨年8月、シュワルゼネッガー知事が設定したものに沿うという。法案は、制限順守を確保するために、義務的排出報告と追跡のシステムを設けることも要求している。

 ニューヨーク・タイムズ紙によると、カリフォルニアは温暖化ガス排出に制限を課す米国初の州になるかもしれない。それだけではない。カリフォルニアは伝統的に国の汚染抑制努力を先導してきたから、州を越えた影響も及ぼす可能性がある、州大気コントロール局が設定した基準やルールはしばしば他の州も見習ってきたという。

 共同提案者の一人であるフラン・パブリィー民主党議員は、「カリフォルニアが進めば、世界の他の地域も進む」と言う。法案を支持する環境団体・自然資源防衛委員会のスポークスマンは、「知事は排出を削減すると言ってきた。これは、我々が排出の州規模での制限を設ける最初の法律を手にする絶好の機会を得たこと意味する」と言う。

 California Bill Calls for Cuts in Emissions,NY,4.4
 http://www.nytimes.com/2006/04/04/us/04calif.html

 法案の行方は未だ分からないが、実現の可能性は高そうだ。そうなったとしても、ブッシュ政府が続くかぎり、連邦レベルでの排出削減目標設定は実現しないだろう。しかし、排出量が米国で最大のカリフォルニアで排出削減が進み、他の州もこれに続くとすれば、米国全体での排出は実質的に大きく削減される可能性がある。京都議定書で定められた排出削減目標の達成が危ぶまれるわが国も先を越されてしまうかもしれない。

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