農業情報研究所環境森林ニュース:20181125

ブラジルアマゾン雨林破壊が最高レベルに トランプ貿易戦争=中国大豆輸入先のブラジルシフトで大豆が侵略?

今年のブラジル・アマゾン雨林破壊がこの10年で最高のレベルに達した。違法伐採と農業のジャングル侵食のためだ.

  20187月末現在の衛星画像が示すところでは、2018年12ヵ月に刈り払われる森林の面積はジャマイカの領土の半分以上に相当する7900㎢に達する。前年に比べて13.7%の増加だ。森林破壊増加への最大の寄与者は、ブラジル最大の大豆生産州=マト・グロッソ州だ。

 Deforestation in the Amazon rainforest reaches highest level in a decade,Merco Press,18.11.24

 トランプ米大統領が仕掛けた対中貿易戦争の報復措置として、中国は米国産大豆輸入関税を25%引き上げた。中国の米国大豆輸入が激減、ブラジルが中国の最大の大豆輸入先となった。

 そのお陰で、ブラジル大豆の輸出価格が急騰した。ロイターによると、米国メキシコ湾岸の輸出価格がトン336ドルに低迷しているのに対し(参照:農業情報研究所-主要穀物・大豆の国際価格の推移)、ブラジルの輸出港・パラナグアの輸出価格はトン384ドルに跳ね上がった(CME Group weighs Brazilian soybean contract to relieve pressure on Prices,Financial Times,18.11.23,p.21* or US futures exchange weighs launch of Brazil soyabean contracts,FT.com,18.11.20)。

 これがブラジル大豆生産者をアマゾン破壊に駆り立てたに違いない。アマゾン雨林は炭素吸収を通じて地球を温暖化から護る最善の自然の一つをなしている。してみると、トランプ(と中国)は気候変動への最大の貢献者ということにもなる。そのつけは、自身の国に跳ね返ってくることになる(気候変動はアメリカ人の健康・安全、生活、経済成長に甚大な影響 米国気候変動アセス最新報告 農業情報研究所 18.11.24)。自業自得、トランプのアメリカは自滅する。

  *時評日日:ブラジルアマゾン雨林破壊が最高レベルに トランプ貿易戦争=中国大豆輸入先のブラジルシフトで大豆が侵略?参照