農業情報研究所グローバリゼーション二国間関係・地域協力>ニュース2020年9月20日

 

フランス EU-南米共同市場貿易協定に反対 協定は森林破壊を加速する

 

フランスのジャン・カステックス首相が18日、20年にわ及ぶ難交渉を経て昨年6月に政治合意に達した*EUと南米南部共同市場(Mercosur、アルゼンチン・ブラジル・パラグアイ・ウルグアイで構成する)包括的貿易協定に反対することを明らかにした。

 

La France s’oppose à l’accord entre l’Union européenne et le Mercosur,Le Monde,20.9.19

 

反対の理由は、この協定が生物多様性を危険にさらし、気候を狂わせる森林破壊を加速するということだ。フィリップ元首相の下に作られた専門委員会が、牛生産の増加のために協定の実施後6年の間、森林破壊の年率は5%に達する、協定の環境コストは経済的利益を上回るという結論を発表しばかりである(L’accord UE-Mercosur risque d’accélérer la déforestation, selon les experts,Le Monde,20.9.17EU-Mercosur trade agreement will accelerate deforestation by at least 25% annually, report suggests,,EU today,20.9.19)。

 

委員会は亦、協定はMercosurの旧大陸への牛肉輸出を年5万トン―ラテンアメリカ地域の年生産の1%―増やすと計算している。政府は、<不正競争>の名でこの協定に反対する全国農業経営者連盟(FNSEA、フランス最大・最強の農民運動団体)を満足させることにもなるという。

  

*EU and Mercosur reach agreement on trade,European Commission,19.6.28