マツバウンラン
Nuttallanthus canadensis (L.) D.A.Sutton


** 花のつくり **



マツバウンランの花に出会ったときのことは忘れません。

えっ! この花どうなってるの??
雄しべはどこ・・? 
雌しべもないぞ・・?
まるで宇宙人みたいな花だ!! 
と思ってしまいました。


帰ってから
調べてみると マツバウンランの花は
仮面状花冠」ということがわかりましたが、

いったい花の作りはどうなっているのか
ちょっと観察してみることにしました。


 マツバウンランの花には、
 昆虫が訪れて来ます。

 昆虫はどこが入り口か
 ちゃんと知っていて、
 花弁に止まると、
 頭を花の中に入れています。

 昆虫になったつもりで、
 指で花弁を下に
 引っ張ってみました

 花弁の下唇がさがり
 入り口が現れて、中に
 黄色いものが見えました。
 

 このままでは、これ以上わかりませんので、ちょっと失礼して花びらを開いてみました。


 入り口から見えた黄色いものは、
 雄しべの花粉でした。

 マツバウンランには、
 長い雄しべが2本と
 短い雄しべが2本、

 そして雌しべが1本あります。




 雄しべの葯どうしがくっついているようなのでさわってみると、離れて見やすくなりました。

 長い雄しべが2本と 
 短い雄しべが2本、
 合計4本あるのがわかります。

 真ん中には、雌しべの柱頭が
 見えています。





 横からも見てみました。

 下唇が大きくせりあがって
 います。

 喉に当たる部分には、
 細かい毛が生えていて
 奥まで続いています。


 一番奥が距になっていて、
 昆虫が距の中の蜜を
 吸おうと入っていくと
 花粉の受け渡しができる
 しくみになっていました。









マツバウンランの花の
仮面状花冠におおわれた奥は、
こんな面白い つくりになっていたんですね。

マツバウンランのことが
以前よりも少しわかったような気がして
また好きになってしまいました。


          (2006.5.7)



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