ヤツデの 雄花
(2007.1.)


ヤツデの花は、「両性花雄花が咲く」と図鑑には書かれています。

1月 冬のヤツデに記載したように、ヤツデの花は両性花が、
雄性期→雌性期へと変わっていきます。

では 雄花はどれだろうと探してみましたが、なかなか見あたりません。 
いったい雄花はどの花で、いつ頃咲くのでしょうか? 


       1.花の時期の終わり頃に咲く花




12月から観察をしてみましたところ、1月中旬になって、そろそろ花が終わる頃に 雄性期が終わると、そのまま枯れてしまう花が見られるようになってきました。  


両性花では、雄性期が終わると→雌性期に変わっていきましたが、 
この花は、雄性期が終わっても雌性期にならず、花弁を残したまま全体が枯れて落ちてゆきます。
どうやら、花の終わりの時期に咲く この花が雄花のようです。

       2.花の時期の中頃〜後半に咲く花



花の終わりの時期に
雄花が咲くことがわかりましたが、

それとは別に、
花の時期の中頃〜後半
(12月下旬頃)に咲く花にも、

雄性期が終わると 雌性期にならずに、
落ちてしまうものがあります。
  


この花は、雄しべと花弁が落ちた後に
枯れないで小花柄の根本から
ポロリと落ちてしまいます。



子房の部分が、
赤く変色している場合があり
触ってみると、弾力が無く
ふわっとしていました。


これもどうやら雄花のようです。

     3.雄花の咲いた跡



ヤツデは円錐花序一番上に
両性花を咲かせています。

その脇から
花の時期の中頃〜終わり頃に
雄花は出現するようです。



ほぼ枯れてしまった雄花を
つまんでみると、花柄の根本から
簡単にとれてしまいました。

まもなく落ちてゆくもの
だったのでしょう。



雄花が落ちてしまった跡は、
黒っぽい横筋のようになって
果実のついた花柄の中程に
残っています。

    

今回の観察で、花の咲き始めの頃は両性花で、雄性期→雌性期へと変わっていきますが、
花の時期の中頃〜終わりの頃に咲く花の中に、雄花が見られるようになりました。

どうやら、
はじめに両性花をどんどん咲かせ、果実(種子)を確保した後は、雌性期に移行しない(花粉だけを出す雄性期で終わる)花を咲かせているのではないかと思われました。


************** ご 紹 介 ***************

「いわわきネイチャークラブ」の 上田さん が、ヤツデの花の様子を追跡されて
ヤツデの観察」としてまとめています。 
ヤツデの花を理解するのにとても参考になるサイトです。

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