燕青は馬上で例の短簫を吹きながら呑気なもの。だが、李逵は 「うるさいから吹くのやめてくれ」 と言い、煩そうに耳をふさぐ。 「まったく、鉄牛は音楽が分らないからな。」 というものの、燕青は簫を吹くのを止めようとしない。仕舞いには怒り出す李逵。悩みごとがあって、傍でぴいぴいやられると考えが纏まらなくなるから止めてくれというのだ。李逵は馬の轡を取ってずっと歩いていたから、馬に乗りたくて拗ねているのかと燕青は思ったが、李逵の心配の種というのは、宋江の命令違反を犯して下山していたため、死罪にされる事を怖れていたのだ。燕青は一足先に梁山に帰って、宋江らに取り成してやると約束する。その間李逵は寿張県の宿屋で一人燕青の戻りを待つことに。