第三十六話 偸酒止招
梁山泊の好漢に対し招安が行われることになったが、蔡京が供につけた張虞候の態度は尊大で大いに好漢たちの癇にさわる。招安自体も、姦臣らの手によって宋江と盧俊義に対して行われるだけという、ケンもホロロな内容となっていた。阮小七は御酒を泥水にすり替え、天井に潜んでいた李逵は招安詔禄が読まれている最中暴れ出し、宋江待望の招安の夢は水泡に帰した。
宿元景の働きもあり、梁山泊に対してついに招安が行われることとなった。使者に立つのは陳宗善。宿元景は陳宗善とともに、彼らが朝廷に帰順したら、必ずや天下の役に立つとして二人で乾杯する。
しかし梁山泊の招安を快く思わないものもいる。蔡京と高イ求はそれぞれの腹心である張王弁と李虞候を陳宗善の監視役につける。一方、梁山泊では招安反対者に不満の声があるまま、陳宗善を迎える準備が進められていた。御使者の出迎えに立った朱武は李虞候の横柄さが耐えられない。陳宗善と李虞候らは別々の船に乗って山塞に渡ることとなったが、李虞候らが乗る船の監督をしていた阮小七に朱武は耳打ちして囁く。
阮小七の監督する船では、大声で歌を歌いながら船が漕がれる。歌の内容に怒った李虞候は水兵を鞭打つ。水軍はこれに抗議するように水の中に飛び込んで逃げてしまったため、船は漕ぎ手を失い進まない。舵を取っていた阮小七も知らん顔。しばらくすると船が水漏を始めた。張王弁は阮小七に招安後は高位につけるから助けてくれと哀願する。阮小七は「だったら俺を皇帝の椅子に座らせてくれるか?」などと無理を言って張王弁をうろたえさせるが、別の走舸を呼び、二人を救ってやる。李虞候らが遠く離れてから阮小七の手下は自ら上がって来、水をすくいはじめる。後に残ったのは御酒。水兵の一人が「普通の酒と御酒では味が違うのかな?」と言い出したことをきっかけに、阮小七は毒見と称し、御酒を盗み飲みする。十瓶あったうちの七瓶まで一同で飲んでしまったため、阮小七は水を入れて封をし、ごまかす事に。
食えない二人・・・
    問題児(?)三人・・・
招安の聖旨を聞くとき、宋江がひざまづいたのを見て、皆しぶしぶひざを着くが・・・どーしても座るのが嫌で立っている三人。魯智深の目配せでようやく座った。
招安の聖旨が読まれる前、魯智深、武松、阮小二はなかなか平伏せず、李虞候の怒りを買う。三人がかたちだけ跪いた後読まれた聖旨は、高飛車な内容で梁山泊の江漢たちの逆鱗に触れた。天井に潜んでいた李逵は呉用の合図で飛び出し、暴れはじめる。御酒が忠義堂に到着したことで事態は一旦収集したものの、湖の水で薄められた御酒の味は言わずもがな。魯智深は酒瓶を叩き割り、招安は失敗に終わる。宋江の目から涙が静かにこぼれ落ちた。
帰りの船の中で李虞候は陳宗善に「今回は無駄足でしたな」と嫌味を言うが、陳宗善は「君が来たのは無駄足ではなかったな」と言い返される。そのやり取りを見ていた阮小七は李虞候に「この船は来た時と同じ船だが、水漏りが怖くないかね?」と更に突っ込みを入れ、李虞候を黙らせる。水兵たちは来た時と同じようにまた高らかに唄いだした。
しかしあまりに高飛車な李虞候に、武松はとうとう刀を突きつける。あそこで退場してよかったよ。あの後小七イタズラ済みv の酒なんて飲んだら、間違いなく斬ってたねこいつ。
でも武松は片ひざしかつかんし、小二兄は横向いた
まんまだし。ろっち-もよく見たらなんだか中腰だ。
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