第三十八話 招安
招安に便宜を図ってもらう目的もあり、高イ求をもてなす宋江。だが、そのまま高イ求を帰してしまったことから激昂した林冲は吐血し、危篤状態に陥る。ついに宋江念願の招安が宿大尉を使者に行われたが、病の床にあった林冲はその様子を耳にしつつ、独り病の床で息を引き取った。

しまいには倒れてしまう林冲・・・

高イ求は梁山泊で捕われの日々を過ごしていたが、美酒佳肴を出されているだけなので腑に落ちない様子。走行はいつでも帰りたい時に京師に返すと約束し、その代わり帝に梁山泊は替天行道、忠義双全、朝廷に帰順する日を、心待ちにしていると伝えてほしいと頼み込む。
憤懣やる方ない林冲は自室に篭り、ヤケ酒を煽っていたが、魯智深にこんな所で何をしていると一喝され、発奮。高イ求の客室に乗り込み、首を刎ねようと詰め寄るが、宋江が身を呈して高イ求を守ったのでどうすることもできない。魯智深は林冲を、「高イ求は逃げられないから」と慰める。しかし宋江は高イ求の頼みをきき、下山させる事に。知らせを受けた林冲と魯智深が馬を飛ばし波止場に着いた時には、高イ求を乗せた走舸は既に遠くに漕ぎ出した後だった。その船を睨みつけていた林冲は吐血した。
燕青のイレズミは
線画だ。

トーンもベタも一枚もなし(笑)
ろっちーもそうなんだけどね。中国でイレズミが流行したのはこの辺の時代だけなので、技術水準があまり高くないのだ。まあ、日本と美意識が違うってことかもしれないが。



高イ求をそのまま逃がしてやったのを見て、
血を吐いて倒れてしまった林冲。
ろっちー怒って馬にあたる。
その後ずっと看病してあげているらしい。

高イ求を京師に返したものの、宋江は高イ求が信用できない。呉用の進めで燕青を京師にやり、李師師経由で帝に願い出る事に。李師師はその願いを受け、帝に話すことを請け負ったが、燕青に食指を動かされている様子。燕青もまんざらではないのだが、今回は招安の前の大事。李師師といちゃついている場合ではないので、姉弟の関係を結んでお茶を濁す。

それでも、イヤなもんはイヤ。
今回の梁山泊討伐は病気にかこつけて責任回避し様とした高イ求だったが、李師師から事情を聞かされている徽宗は蔡京を呼び出し、梁山再招安の話を持ち出す。江南も平定していない事から、『毒をもって毒を制す』のも良作と蔡京も考え、かくて宿元景を使者に招安が行われることとなった。














招安の使者が注ぐ酒をみんな杯についでもらうが、武松は杯を横にして受け取らない。
孫二娘につっつかれたが、後ろにいた張青の杯に自分の杯を重ねて出て行ってしまう。
魯智深と阮兄弟も続く。
孫二娘がなだめるが、みんな行ってしまう。
「朝廷?! 朝廷が今まで俺達に何をしてくれたって言うんだ!!」



しかし、武松は恩賜の御酒を飲みたいとも思わず、杯を張清の杯の上に重ね、憤然と忠義堂を後にする。孫二娘は武松を引き止めようとするが、魯智深、阮家兄弟も武松と同じように官途に就きたくないし、招安なんてクソ喰らえと言い出す始末だった。無事式典も終わり、宿元景と歓談していた宋江の元に林冲の容態急変と知らせが届く。宋江が林冲の部屋に駆けつけた時には、林冲は既に息絶えた後だった。
林冲のためにも、その後の梁山泊の為にも、せめて高イ求は殺しておくべきだったと思うな・・・・・・。
林冲の死に、宋江はバタバタ泣くけど、心情で言わしてもらえば、宋江は悲しむ資格さえないよな。林冲死んだの宋江のせいだよな・・・・・・。
そこが宋江の哀れさでもあるのだけれど。

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