農業情報研究所農業・農村・食料欧州ニュース:14年4月14日

フランス農業未来法 「ワイン・ブドウ栽培地はフランスの文化・美食術・景観遺産」 仏上院が採択

  4月8日、フランス元老院(上院)で40ヵ条からなる農業未来法案の審議が始まった。854の修正案が提出されたが、11日(金曜日)現在、なお550の修正案が未採択という激論が展開されている。

 そんな中、南仏ブドウ生産地帯のラングドック・ルション地域オード県選出のロラン・クールトゥ議員等が提案した

 「ワイン、ブドウからの産物とブドウ栽培地はフランスの保護される文化・美食術・景観遺産をなす」(Le vin, produit de la vigne et les terroirs viticoles font partie du  patrimoine culturel, gastronomique et paysager protégé de la France)

 という修正(条文追加)案が満場一致で採択された。

 

エロ―県(オードの隣県)のブドウ栽培地
(2002年筆者撮影)

 フランス議会は2006年1月、フォワグラを(動物保護団体の)攻撃から守るために、「フォワグラは・・・保護された文化・美食術遺産をなす」と条項を農事・海洋漁業法典に加えたが、今回の修正はワインとブドウ栽培地にフォワグラ同様の手厚い法的保護を与えるためのものという。

 http://www.senat.fr/enseance/2013-2014/387/Amdt_499.html

 ならば日本も、「米と日本酒は日本の保護される文化・美食術・景観遺産をなす」とする法律を制定、お米とそれから作る日本酒、そして「瑞穂の国」の原風景を死守すると宣言したらどうだ。いや、それは無理か。飼料米生産拡大が最大目標になるほどに米をないがしろにしている国、指導者が稲作もただの金儲けの手段に 貶めようとしている国が、米は文化・美食術遺産などと言えば、世界の笑いものになるだけだろう。悲しいことである。