農業情報研究所>農業・農村・食料関係>食糧問題>ニュース2020年4月28日
ロシア 7月1日まで穀物輸出停止を発表 米欧小麦先物価格は下落
ロシアが4月25日(日曜日)、小麦、ライ麦、大麦、トウモロコシなど穀物の輸出を7月1日まで停止すると発表した。4月初め、6月30日までの穀物輸出を700万トンに制すると発表したが、この割当は既に完全に使い尽くしたということだ。
La Russie suspend ses exportations de céréales jusqu’au 1er
juillet(AFP),Agri Mutuel,20.4.26
これが、かつてのように穀物の世界市場価格の高騰→世界食料危機につながったら大変だが、いまのところ、その心配は無用だ。ロシアの発表の翌月曜日、干ばつ気味だったフランスやヨーロッパの大部分の地域での降水を理由にパリ製粉用小麦(軟質小麦)先物相場は、前週末のトン197.75ユーロから196ユーロに下落した。ロシアの輸出停止については、市場は既に織り込み済み、4月400万トン、5-6月300万トンの今季の既契約取引には何の影響もないという。
Le blé en baisse, des pluies annoncées en Europe(AFP),Agri Muruel,20.4.27
シカゴ小麦先物も前週末のブッシェル5.266ドルから5.210ドルに下げた。トウモロコシに至っては、ブッシェル3.054ドル、史上最低レベルに落ち込んだ(シカゴ商品取引所小麦・トウモロコシ・大豆先物相場の推移)。