農業情報研究所農業・農村・食料関係食糧問題>ニュース2021年6月19日

 

トウモロコシ・大豆高騰 数年は続く “ミニ・スーパーサイクル”の始まり?

 

周知のこととは思うが、昨年8月頃からトウモロコシ、大豆、小麦のシカゴ先物相場の上昇が著しい。

 

 (20年)8月初旬、ブッシェル(25.4㎏)3.1ドルほどであったトウモロコシ(コーン)は11月には4ドルを超え、今年1月には5ドルを超え、4月末には7ドルのレベルに達し、今も6ドル台後半の日が続いている。

 

 同じくブッシェル(27.2㎏)89ドルと普通の農家の採算ラインを割るまでに低迷していた大豆も今や14~15ドル台に跳ね上がった。

 

 シカゴ商品取引所小麦・トウモロコシ・大豆先物相場の推移シカゴ商品取引穀物・大豆等先物(期近)価格の長期推移(農業情報研究所)

 

どちらも中国の爆買いという一時的要因がからんでおり、これがいつまで続きか分らないが、ともあれ政府が消極的なバイオ燃料(バイオディーゼル)増産に希望を託すしかなくなっていたアイオワ(中西部)農民も息を吹き返した。

 

ところで、カーギル、コフコ(中国)、バイテラ(カナダ)など穀物メジャーの幹部連は、これを中国およびバイオ燃料需要が価格を数年間押し上げる “ミニ・スーパーサイクル”の始まりと見ているそうである。コーン、大豆、小麦の高値は今後2年から4年ほど続くと予想する。

 

バイレラのCE・David Mattiske氏はFT Commodities Global Summitで、人口増加、富裕化で消費、需要が増える環境のただ中にあると言う。

 

ただし、アーチャー・ダニエル・ミドランドのグローバル・トレード部長は慎重だ。ここ数週間は行き過ぎた価格の修正傾向が見られる、ミニ・スーパーサイクルと言うのは時期尚早と見る。最大の不確定要因は中国、中国は一番不透明、その予測は難しすぎるという。

 

Top agricultural traders predict a ‘mini supercycle’, FT.com, 21.6.18

 とはいえ、コーン・大豆(配合飼料原料)の大部分をアメリカからの輸入に頼る日本、“ミニ・スーパーサイクル”へのなんらかの備えは必要だろう。配合飼料価格の大幅値上げが既に始まっている(配合飼料価格 1トンあたり5500円値上げ 3期連続値上げ-JA全農 農業協同組合新聞 21.3.19)。とりわけ専ら配合飼料に頼る酪農をはじめとする工場畜産の持続可能性が問われる。