農業情報研究所


フランス:BSE確認の際の選別屠殺を決定ー一部の牛は殺処分免除

農業情報研究所(WAPIC)

2002.2.22

 フランス農水省は、21日、1990年12月以来のBSEに関する衛生取締り措置を修正するアレテを官報に掲載した。すなわち、食品安全機関(AFSSA)の1月4日の意見(フランス:BSE確認後の屠殺・廃棄政策変更へー2002年1月以後生まれの牛は廃棄対象外にー,農業情報研究所)に従い、BSEが確認された際に殺処分される牛から2002年1月1日以後に生まれた牛を除外することにした(Abattage sélectif des troupeaux touchés par l'ESB : les animaux nés depuis le 1er janvier 2002 sont épargnés,2.21)。この日付は、昨年初めからの肉骨粉全面禁止と作夏の飼料用脂肪(特に子牛用の代用乳の脂肪)の安全保証措置を考慮して定められた。

 今後、BSEが確認されたときに牛は、2002年1月1日より前に生まれた牛と感染が確認された牛の子が殺処分されることになる。繁殖母牛(牛乳生産用ではなく、専ら子牛への哺乳のために飼われている牛)についてはマークが付され、離乳後に処分することができる。それまでは監視下におかれる。

 農水省によれば、これは,最近の厳格なBSE予防政策、特に飼料の安全保証措置、屠殺場における特定危険部位の除去、24ヵ月以上のすべての牛の検査の実施の結果である。

 早くから選別殺処分を要求してきた農民同盟は、これで処分を免れるのはほんの僅かな牛だけであり、食料安全保証を少しも改善しない、科学者やAFSSAは同年齢集団やその子の選別殺処分を明確に正当化してきたと非難する声明を出した(abattage sélectif à partir de 2002, maintien d'une gestion irrationnelle)。しかし、主流派農民組合の農業経営者連盟(FNSEA)は全面的賛意を表し、これは政府の上記の諸施策と畜産農民及び関連業界全体の努力と責任のお陰といっている。FNSEAによれば、フランス牛肉は、世界で最もトレーサビリティが保証された高品質な牛肉である(Abattage sélectif : enfin !)。

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