農業情報研究所狂牛病 >ニュース:2011年6月28日

韓国 カナダ産牛肉輸入再開へ 30ヵ月未満の牛の骨を含む肉 特定危険部位や機械的回収肉・ひき肉は除く

 韓国農林水産食品部が28日、韓国とカナダが2007年11月から進めてきた狂牛病(BSE)にかかわるカナダ産牛肉輸入条件について合意したことを明らかにした。 03年5月のカナダにおける狂牛病発生確認(農業情報研究所:カナダで狂牛病(BSE)発生確認,03.5.21)を受けた8年間に及ぶカナダ産牛肉輸入禁止措置は今年中にも解除される見通しという。

 農林水産食品部によると、韓国は30ヵ月齢未満の牛からの牛肉と骨の輸入を再開する。ただし、特定危険部位(SRM)脳、頭蓋、眼、脊髄はもちろん、扁桃、内臓、腸などを含むすべての生鮮肉・加工肉製品も輸入を禁止される。また、禁止物質を含む恐れがある機械的回収肉やひき肉の輸入も禁止される。カナダは米国と同様に「管理されたリスク」の国と認められているが、消費者の懸念を考慮、米国産牛肉の輸入条件(農業情報研究所:韓米牛肉貿易交渉 月齢制限残るも、韓国は安全軽視の大冒険 脳、精髄も禁止解く,08.4.19)よりも厳格にしたという。

 加えて、カナダの韓国向け輸出肉加工施設は、現地点検を行った上で韓国が直接承認する。また、カナダで新たにBSEが発生した場合は、まず検疫中断措置を取った後、国民の健康と安全に対する危害が確認されれば輸入を中断するとした。

 カナダの提訴で現在進行中のWTO紛争処理パネルでの審査については、韓国の輸入条件官報掲載を待って、カナダが提訴を撤回する。韓国政府は7月末に韓国国会に輸入衛生条件(案)の審議を要請し、国会審議が終われば官報に掲載す方針という。

 ただし、聯合ニュースによると、最近は口蹄疫の影響で韓牛の価格が暴落しているうえ、来月1日の韓国・EU間自由貿易協定(FTA)発効、今後の韓米FTA批准と発効で、韓国畜産業の打撃が予想されるなかでのカナダ産牛肉輸入再開には、畜産農家の反発が予想される。 また、カナダでは今年2月に18件目のBSEが発生しており、BSEが現在進行形にあることから、消費者からの反発の可能性もあるということだ。

 S. Korea agrees to lift ban on Canadian beef imports,Yonhap,6.28
 カナダ産牛肉輸入、早ければ年末から再開  聯合ニュース 6.28