フランス食品衛生安全庁、殺虫剤・ゴーショの蜜蜂への影響の暫定研究結果を発表

農業情報研究所(WAPIC)

04.2.27

 フランス食品衛生安全庁(AFSSA)は26日、養蜂農家により蜜蜂の大量死を引き起こしたと批難されている殺虫剤・ゴ―ショについて2000年に行われた研究の暫定結果を発表した(Etude expérimentale de la toxicité de l'imidaclopride distribué dans le sirop de nourrisseurs à des colonies d'abeilles (résumé février 2004))。ゴーショの主成分であるイミダクロプリドを添加したシロップを食べさせた蜜蜂への致死的影響は見られなかったが、ゴーショが殺さないとは言えない、一層の研究が必要という。

 2000年夏の34日間、蜜蜂の八つのコロニーの二つのグループにイミダクロプリドを含むサッカローズのシロップを与えた。コロニーは、このシロップを与えなかったコロニーと共に冬の終わりまで生き残った。実験期間後も、両グループの活力は同じように復活したという。多くの養蜂農家が報告したような蜜蜂の急死や、とくに冬季に延ばされた死は起こらなかった。

 しかし、この結果は大規模耕作地域で起きたことと比較はできないという。実験に使われた蜜蜂は地中海森林に食物源をもつ健全なもので、大量死が起きた品種と同じものではない。AFSSAは補完的研究が必要で、それによって二つの仮説が確かめられると考えている。

 一つは、養蜂業者が報告するトラブルにはイミダクロプリドとは別の原因があるという仮説である。もう一つは、これはイミダクロプリドに原因があるが、別の条件が加わっているというものだ。別の条件としては、度重なる中毒の累積効果でコロニーが衰弱していこと、豊富で変化に富む食物源が欠如していること、イミダクロプリドに対する抵抗性を発達させなかった蜜蜂種の利用が考えられるという。

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農業情報研究所(WAPIC)

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