フランス、フィプロニル殺虫剤を販売停止に

農業情報研究所(WAPIC)

04.2.24

 フランスのゲマール農相は23日、蜜蜂の大量死を招いたと疑われるレジャントTSなど、フィプロニルを含む6種類の殺虫剤の商品化とフランス国内での使用を2月24日以後禁止すると発表した(Décisions sur les usages agricoles du fripronil)。この決定は、新たな科学的確証が現われないかぎり、05年12月31日までに示されるEUの欧州食品安全庁が立場を明確にするまで適用される。ただし、農事法典に従い、既存在庫をなくし、売り捌き、利用するための猶予期間が与えられる。また、農業者に猶予が与えられ、被覆された種子はこの春に播種できる。農相は、消費者や利用者には有害な影響はなかったと強調している。

 他方、農相は、イミダクロプリドを活性成分とする同種製品で、やはり蜜蜂の大量死を招いたと疑われてきバイエル社のゴーショの毒性研究も要請、これに関する意見は1ヵ月以内に出されねばならないと述べた。同日、環境(エコロジー)相は、レジャントとゴーショの販売と在庫を含む全面禁止への賛意を表明している。 

 バイエル・クロップサイエンス・フランス社は、直ちに農相決定の法的確認を求めると発表した。イミダクロプリドを含むゴーショは02年に再評価され、その認可は10年間更新されているし、農相も毒性調査委員会と認可委員会の意見を基に、03年に自身も認可を主張したではないかと言う。製品の利用と蜜蜂の死の因果関係を確立するいかなる新たな要素も現われていないと、農相の手続の矛盾を問題にしている.

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