農業情報研究所>環境>農薬・化学物質・有害物質>2018年4月28日 EU 3種ネオニコチノイドの屋外使用全面禁止へ 英・仏・独などの賛成で
欧州委員会(European Commission、欧州委)の植物・動物・食料・飼料常設委員会(コミティー)が27日、かねて欧州委が提案していた3種のネオニコチノイド―クロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサム―の屋外使用全面禁止案(→https://ec.europa.eu/food/plant/pesticides/approval_active_substances/approval_renewal/neonicotinoids_en)をイギリス、フランス、ドイツなど6ヵ国の賛成で辛うじて採択した。ルーマニア、デンマークなど5ヵ国が反対したが、13ヵ国は棄権した。これにより、これらネオニコチノイド殺虫剤のあらゆる形での屋外使用は2018年末を以て禁止され、永久閉鎖グリーンハウス内でしか使えないこととなった。
これは、ネオニコチノイド殺虫剤の大部分の使用は野生のハチとミツバチに高いリスクをもたらすとする既に紹介した欧州食品安全機関(EFSA)のリスク評価を受けたものである(EU食品安全機関 ネオニコはハチに高リスク 作物収量への効果を疑わせる研究も 農業情報研究所 18.3.2)。 ただ、これでは農業者がやっていけない、一層有害な農薬の使用が増えるなど、反対の声が収まったわけではない。逆に、屋内で使用しても水汚染の可能性は残るなど、ポリネーターや人の保護にはこれでも不十分という声もあり、もう手後れという声さえある(Le Monde紙)。
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EU agrees total ban on bee-harming pesticides,The Guardian,18.4.27 |