ベトナムがグリホサート使用を禁止　米農務省は世界農業生産に破滅的影響と批判

農業情報研究所＞環境＞農薬・化学物質・有害物質＞2019年4月12日　

ベトナムがグリホサート使用を禁止　米農務省は世界農業生産に破滅的影響と批判

ベトナム農業農村開発省が4月10日、多くの除草剤の活性成分であるグリホサートの使用を禁止した。

　ベトナムではグリホサートは1994年に使用が認められ、以来、グリホサートを含む104の製品が登録された。しかし、2016年４月に新たな登録を停止、グリホサート使用の人々の健康と環境に関連する情報と科学的事実を集めてきた。

　このたび、国際癌研究機関（ＩＡＲＣ）その他の研究機関が“人に対して恐らく発癌性がある物質”に分類したこと（ＷＨＯ専門機関　除草剤・グリホサートは”人に恐らく発癌性がある”物質に分類　農業情報研究所　15.3.21）などを考慮、禁止に踏み切ったようだ。

Việt Nam bans weed killer ingredient glyphosate,Viet Nam News,19.4.11

禁止はグリホサートが残留する多くの輸入農産物。食品の輸入停止につながるだろう。米国農務省は「グリホサート輸入を禁止するというベトナム農業農村開発省の発表に応える声明」を発した。この決定は世界の農業生産に破滅的影響を与えるだろう。ベトナムはこの規制変更をWTOに通知する義務を果たしていないだけでなく、自国の農業生産の発展をも遅らせ、ベトナム農民がグリホサートに代わる規制されていない違法な化学物質を使うようになるリスクがあると批判している。

Perdue Statement on Vietnam's Ban on the Importation of Glyphosate,USDA,19.4.12