フランス 生物多様性・自然・景観回復法が成立 ネオニコチノイド殺虫剤を最終的に禁止

農業情報研究所環境環境・自然保護・生物多様性または農薬・化学物質・有害物質2016721

 フランス国民議会(下院)が7月20日、「蜜蜂を殺す」ネオニコチノイド殺虫剤禁止条項を含む「生物多様性・自然・景観回復法」を、ほぼ4年間にわたる審議の末に最終的に採択した。

 Biodiversité : adoption du projet de loi en lecture définitive, l’Assemblée nationale,16.7.20

 その第51条は、「ネオニコチノイドの一つまたは複数の活性物質を含む農薬及びこれら農薬で処理された種子の使用は2018年9月1日以後禁止される」と規定している。ただし、農業者団体や化学企業の圧力を受け、この禁止の例外を定める1項が付け加えられた。「2020年7月1日まで、この禁止の例外を農業・環境・保健大臣の共同省令(アレテ)により与えることができる」とされている。

 とはいえ、フランス農業者は、今後4年の間に、世界中の農業者が慣れ親しんだ耕作慣行から決別することになる。蜜蜂を殺さず、環境と人に優しく、かつ作物の保護にも有効なネオニコチノイド代替農薬が開発されないかぎり、経済と環境を両立させる革新的な農業方法を確立せねばならない。