フィリピン国営石油 レイテ島の100fでバイオディーゼル用ヤトロファ栽培

農業情報研究所(WAPIC)

09.2.19

  フィリピン国営石油(PNOC)が、レイテ島に100fの土地にバイオディーゼル原料となるヤトロファを植えることを計画している。PNOC代替燃料社(PNOC-AFC)がバイオ燃料作物プランテーション・プロジェクトのための遊休地をレイテ島で探している。

 2007年1月に成立した2006年バイオ燃料法が、発効から3ヵ月以内にデーゼル燃料に1%の国産バイオディーゼルをブレンドすることを義務付けていことに対応するためである。法律は、2年以内にガソリンへの国産バイオエタノール4%、ディーゼルへの国産バイオディーゼル2%のブレンド、4年以内にバイオエタノール10%の混合も義務付けている。従って、PNOC-AFCは、2012年までに、全国で70万fのバイオ燃料作物プランテーションを造ることを目指しているということだ。

 レイテ島では、とりあえず10fのヤトロファプランテーションを造る。既に18の農家協同組合と契約を結んだ。これら農家は成熟し・政府に販売する実を付けるまでのおよそ2年間、木の世話をする。この間、農民は、間作のためのカボチャとトウモロコシの種を与えられる。農家の所得源とプロジェクトの持続性を確保するために、生産物はPNOC-AFCが買い上げる。

 農家は熱狂しており、会社は1fで平均8トンのヤトロファの実の収穫を期待しているという。

 PNOC to plant jatropha in Leyte.Inquirer,2.15
 http://newsinfo.inquirer.net/breakingnews/regions/view/20090215-189460/PNOC-to-plant-jatropha-in-Leyte

 ヤトロファの最大の難点は、交雑しやすく、未だに品種の固定ができないために、収量が著しく不安定で、ある年は豊作だったが、翌年は収穫なしということもあり得る。農家が安定した所得が得られるとは限らない。熱狂がさめるだけならまだいいが、首をくくるようにならないことを切に祈る。

 参考
 NZ航空 ヤトロファ燃料で試験飛行 (付)ヤトロファ ”ミラクル”な作物?(FAO)
 中国・インドのバイオ燃料生産 食料作物栽培のための水の不足を深刻化 国際水管理研究所