農業情報研究所エネルギーニュース:2011年6月17日

米国上院 一転してエタノール補助金廃止法案を可決 トウモロコシ価格急落

  米議会上院が1ガロン当たり45セントの米国バイオエタノール補助金の7月からの廃止を求めるトム・コバート議員提出の法案を否決したとは先日伝えたばかりだが(米議会上院 バイオエタノール補助金廃止法案を否決 食料価格問題より地元の利害)、同じ上院が16日、今度はこの補助金を今年末で打ち切るとともに、ブラジルからの安価 なサトウキビエタノールから米国エタノール産業を保護するための1ガロン54セントの輸入関税も廃止するという法案を73対27の圧倒的多数で可決した。

 ただし、大統領は補助金の一気の全廃には拒否権発動をほのめかしており、この法案が付帯する経済開発法案も通過が難しい状況にある。補助金全廃は実現しないかもしれない。

 それでも、エタノール産業への打撃は大きい。無傷では済まないだろう。原料となるトウモロコシのシカゴ先物相場は急落した。高騰していた穀物相場の下落がようやく見えてきた。食料価格をつり上げた主犯がバイオ燃料であったことは、もはや誰も否定できないだろう。

 Senate vote marks start of end for ethanol subsidies,Reuters,6.16
  Factbox: Senate looks at plans to cut ethanol subsidies,Reuters,6.16