キャドバリー チョコバーからパームオイルを除く 熱帯雨林とオラヌータンに脅威の非難受け

  農業情報研究所(WAPIC)

09.8.17

  キャドバリー・ニュージーランドが、チョコレートの成分からパームオイルを取り除く。

 同社は最近、コスト削減の一環として、150グラムとと250グラムのバーの重量を20%減らすとともに、成分のココアバターをパームオイルに切り替えた。しかし、これが、味とパームオイル調達の両面から、消費者の怒りを買った。

 環境活動家は、パームオイル生産が熱帯雨林破壊を引き起こすと、ボイコットを呼びかけた。オークランド動物園は、熱帯雨林の減少はオラヌータンを脅かすからと、キャドバリー製品を売店から撤去した(Auckland Zoo pulled Cadbury's products)。緑の党の一議員は、商品選別を通してメッセージを送るように、消費者に要請した。

 キャドバリーは、当初は正しいと信じた決定は間違っていたと、数週間以内のココアバターだけのチョコレートの生産を始めるそうである。認証を受けた持続可能なパームオイルを購入してきたが、それでも公衆から非難を浴びせられたという。

 Cadbury caves - no more palm oil in its chocolate,New Zealand Herald,8.17
 http://www.nzherald.co.nz/business/news/article.cfm?c_id=3&objectid=10591340

 環境団体は、”持続可能なパームオイルに関するラウンドテーブル(RSPO)”のメンバーとなっている世界最大のパームオイル企業・ウィルマー社が、熱帯雨林を違法に伐採し、森林に火を放ち、地域コミュニティの諸権利を侵害している事実を、インドネシアの現地調査で確認している(米国・ミネソタ州のパームオイル原料バイオディーゼル禁止にインドネシア政府が遺憾)。持続可能なパームオイルの認証は、環境活動家の信用を得るには程遠い状態にある。

 関連情報
 
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