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イギリス:フェアトレード商品販売、3年間で倍増

農業情報研究所(WAPIC)

03.3.7

 3月3日、イギリスの”Fairtrade Foundation”(公正貿易在団)は、消費者に公正貿易(フェアトレード)商品を奨める2週間にわたる「フェアトレード週間」の開始にあたり、イギリスのフェアトレード商品販売額が3年間で倍増、6千260万£(約120億円)に達したと発表した。フェアトレード・ブランドのコーヒーはコーヒー市場の14%を占め、イギリス人は、毎日、170万カップのフェアトレードの紅茶とコーヒーを飲み、週に150万のフェアトレード・バナナを食べるという。

 フェアトレード在団は、1990年代、世界商品価格の下落がもたらす人道的問題に対処すべく、CAFOD(カトリック海外開発基金)、クリスチャン・エイド、オックスファム、世界開発運動などにより設立されたもので、それが世界基準に基づき認証し、マークを与えるフェアトレード商品は、途上国農民により良い取引条件を約束する。最初の商品は「マヤ・ゴールド」チョコレートで、1994年にスーパーマーケットに登場したが、今やコーヒー、ココア、紅茶、チョコレート、スナック・ビスケット、蜂蜜、フルーツ・ジュース、生鮮果実など、イギリスでは100を超える製品がフェアトレード・マークを付けて販売されている。スーパーチェーン・セーンズベリーは、週に100万のフェアトレード・マークのバナナを販売、フェアトレード認証を受けた自社ブランドのコーヒー、紅茶、チョコレートも持つ。昨年11月には、スーパー・Co-opが自社ブランドのチョコレートすべてをフェアトレードに転換すると発表した。

 世界的には、フェアトレード・マーク商品は17カ国で販売されており、36カ国の360の生産者団体ー450万の生産者が関係するーから調達されている。しかし、商品価格の下落は、今や途上国のみならず、先進国の農民にも深刻な問題を生んでいる。今年初め、イギリスの有機農業生産者団体・土壌協会(ソイル・アソセーション)とフェアトレード在団は、フェアトレード・マークをイギリス産品にも拡張すると発表している(参照:有機農業と公正トレード、フェアトレード認証をイギリス産品にも拡張の実験,03.1.6)。

 関連報道
 
Sale of Fairtrade products doubles,The Guardian,03.3.3