農業情報研究所グローバリゼーション農水産物・食料品貿易ニュース:2020年4月14日

 中国の米国農産物第1四半期輸入実績 第1弾通商合意「確約」は絵空事

中国が今年第1四半期(1-3)、米国から大豆781万トン、豚肉168000トン、124000トンなど約505000万ドル相当の農産物を輸入したということである。

中国、第1四半期の米農産物輸入は50.5億ドル=税関 ロイター 20.4.14

 年間に換算すると大豆は3124万トン、輸入額は202億ドルとなる。

 ところで、米中が今年初めに調印した通商合意「第1弾」では、中国は米国農産品購入を向こう2年間で約320億ドル、年160億ドル拡大することを確約したとされている。17年実績の240億ドルと合算すると年輸入額は400億ドルになるはずである。

 この場合、大豆購入量は年に2600万トン増え、年間大豆購入量は米国の輸出能力を超える5800万トンになると推定された(中国、米国農産物購入を年160億ドル増やすと確約 一体何を買うのだろう?! 農業情報研究所 20.1.14)。

 第1四半期の実績をみる限り、年換算輸入額・大豆輸入量はともに目標の半分ほどにとどまる(202/4003124/5800)。やっぱり、第1弾合意における「確約」は絵空事、大統領選に向けたトランプ大統領の大法螺だったと言わざるを得ない。

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