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カナダ:生命特許停止キャンペーン、生命は売られてはならない

農業情報研究所(WAPIC)

02.10.4

 開発と平和のためのカナダ・カソリック組織とCOUNCIL OF CANADIANSが、18万人の署名を集めて、WTOとバイオテクノロジー企業に生命特許の停止を求める明確なメッセージを送るようにカナダ政府に要請している(The Canadian Catholic Organization for DEVELOPMENT AND PEACE and the COUNCIL OF CANADIANS:DEVELOPMENT AND PEACE AND COUNCIL OF CANADIANS SAY THAT SEED PATENTS THREATEN FOOD SUPPLY OR THE WORLD’S POOR,10.3)。

 会長のRoger Duboisは「増加する飢餓は特許種子の影響」であると言い、COUNCIL OF CANADIANSNadege Adamは「我々は生物多様性を企業の支配から護るように政府に要請している」と言う。

 ニュース・リリースによれば、世界最貧国の多数の家族が自家採取の種子の貯蔵と交換で生き残っており、基礎食糧作物の特許は貧しい農民とそのコミュニティの飢餓の増加につながるであろう。既に、コメ、コーン、小麦、大豆、ソルガムなどの世界で最も重要な食糧作物に関する1000ほどの特許がある。農民は、特許種子を無料で提供する政府プログラムや高収量を約束する宣伝のために、伝統的種子の利用を止めるように圧力をかけられている。しかし、特許種子は料金なしでは収穫できないし、再播種もできない。効果な農薬や肥料も必要になる。結果として、貧しい農民は自身の生活のコントロールができなくなる。

 Duboisによれば、「種子とすべての生きた有機体は我々の集団的遺産である。地球はすべての者に属し、生命は決して売られてはならない」と語っている。

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