農業情報研究所グローバリゼーション二国間関係・地域協力ニュース:2013年11月13日

米国 共和党議員が「ファスト・トラック法」反対 オバマ政府の貿易交渉に暗雲

 11月12日、米国議会共和党議員22人が、政府に貿易交渉権限を委ねる「貿易促進権限(TPA)」法に反対の意を表明する書簡をオバマ大統領宛てに送った。

 書簡の基本的メッセージは、米国憲法は尊重されねばならないということだ.。書簡は、「米国創建者たちは、大統領が外国と一方的に交渉し、議会が国益に反すると考える貿易政策を押しつけるのを防ぐために、この明確なチェックとバランスを確立した」と述べているという。

 交渉結果を一括して承認するか否認することを認めるこの「ファスト・トラック」法とも呼ばれるこの法がなければ、TPPであろうが、米国-EU貿易投資協定であろうが妥結した協定の米国による批准は保証されない。

 フィナンシャル・タイムズ紙によると、22人ではTPAを葬るには不十分だが、これは、伝統的に自由貿易の熱心な支持者である保守派議員までもがいかにオバマ氏を信頼していないかを際立たせる。22人の中にはティーパーティーに属する強硬な保守派議員だけでなく、もう少し穏健な議員も含まれるという。今日の記者会見では、下院民主党議員団もTPP交渉における議会との協議の欠如を嘆く予定という。

 Republicans oppose fast-track trade deals,FT.com,13.11.13

 折角の交渉もすべて無駄となりかねない。よくも交渉を続けられるものだ。