農業情報研究所グローバリゼーション二国間関係・地域協力ニュース:2014625

オーストラリア TPPに先駆けて中国とFTA アジアでの孤立化進む米国

 オーストラリアのロブ貿易相が北京で、米国主導の環太平洋パートナーシップ(TPP)に先駆け、対抗する中国との自由貿易協定に合意することになろうと語った。TPPについては、「私の米国政治のアセスでは念年内合意はない」が、中国との協定は年内に合意に達しようという。

  もたもたするアメリカさんよ、お先にと言わんばかりだ。ひょっとすると「さよううなら」かもしれない。

 中国とオーストラリアのFTA交渉は、中国側が米、穀物、キャノーラ(ナタネ)などの農産物の輸入自由化に、オーストラリアは中国からの農地投資の規制緩和に難色を示し、8年にもわたって難航してきた。行きづまりをどう打開するかは知らない。しかし、オーストラリアは昨年、韓国とのFTAに合意し、今年は日本とも合意に達した。確実にアジア市場に食い込みつつある。

 Australia races to seal China trade pact,FT.com,14.6.24

 裏を反せば、米国のアジア市場での孤立ぶりが一層鮮明になってきたということだ。しかし、オバマ政府がどう焦っても、これは米国議会の主要、あるいは緊急関心事はない。