農業情報研究所>グローバリゼーション>二国間関係・地域協力>ニュース:2015年4月18日
米議会 ファスト・トラック法案上程というが 通過の保証はないし 注文が多すぎる
わが国マスコミも報じているように*、米議会の超党派議員団が大統領に通商交渉を一任する貿易促進権限(TPA)」法案**、別称ファスト・トラック法案をを上下両院に提出した。
これにより、ほとんど死に体になっているTPP交渉が生き返ると早合点してはいけない。第一、この法案が議会を通過するかどうかも不透明だ。ワシントン・ポスト紙によれば、大部分の共和党議員が法案に賛成の上院は5月中に通過すると見られるが、「Several dozen」の下院共和党議員は製造業地区選出か貿易協定不支持で、下院通過には30人以上の民主党議員が賛成に回る必要がある。しかし、両サイドの事情通が言うには、これは保証できないということだ。
Senators’ bipartisan bill would give Obama key powers on trade,The Washington Post,15.4.17
仮にこれが通過したとしても、貿易相手国の為替操作回避の要求も含む協定内容や議会との協議・情報開示などに関する100頁を超えること細かな注文を満たすことは、交渉以上に難しいことかもしれない。日本も、為替操作回避条項を認めるのだろうか。
マスコミにはそのあたりに焦点を当てた報道もお願いしたい。
*TPP、大統領に交渉権限 米議会で超党派が法案 日本経済新聞 15.4.18
**The
Bipartisan Congressional Trade Priorities and Accountability Act of 2015