日欧EPA 大筋合意近し?外務省はだんまりだが、欧州委員は「双方の立場の違いはすぐに埋められる」

農業情報研究所グローバリゼーション二国間 関係・地域協力2017年2月18

   17日、日本の岸田外相とマルムストローム貿易担当欧州委員がボンで会談した。わが国外務省は日欧経済連携協定について、「早期の大枠合意が極めて重要であることを再確認」、「強い意志を持って交渉を継続し、モメンタムを維持していくことで一致し、事務レベルで次回交渉の日程を早急に調整することとなりました」と、交渉の進捗状況について示唆するところは何もない(岸田外務大臣とマルムストローム欧州委員(貿易担当)との昼食会 2017217日)。

 しかし、マルムストローム委員は、「わずかばかり残っている問題は解決が最も難しいが、双方の立場の違いはすぐに埋められると確信している」(Commissioner Malmström and Japan's Minister of Foreign Affairs confirm commitment for an early conclusion of EU-Japan FTA negotiations European Commission 17.2.17)と、大筋合意が近いことを示唆しているようにも見える。

 マルムストローム委員は希望的観測を述べているだけなのだろうか。それにしては「確信している」(confident)という言い方が気になる。3月以降大型国政選挙が続くEUでは政治的決断が難しくなるという話がある。2月中に決着をという並々ならない決意の表れかもしれない。

外務省はあり得る国内の反発を恐れ、何か隠しているのだろうか。それはTPP交渉以来、日本政府が墨守してきたやり方だ。