ドイツNGO EU-カナダ貿易協定は違憲 憲法裁判所に提訴

農業情報研究所グローバリゼーション二国間 関係・地域協力ニュース20016531

 EU-米国貿易投資協定(TTIP)への反対の声が高まるなか、ドイツのNGOグループがEU-カナダ貿易協定(Ceta)を憲法裁判所に訴えた。Cetaは裏口からのTTIPであり、憲法と議会制民主主義に反すると主張する。

 Cetaは2014年に妥結したが、欧州議会とEU28ヵ国が未だ批准しておらず、欧州委員会が今秋の「仮の実施」を求めている。しかし、ドイツの活動家がこの動きの阻止に立ち上がった。彼らは、この協定は憲法に違反すると言い、企業が国の法廷をバイパス、直接国際法廷に訴えることができるその紛争処理メカニズム(ISD)も民主的正当性を欠き、議会の関与を排除するものだと反対する。

 法廷闘争をリードするケルン大学のベルンハルト・ケンペン国際法研究所長は、憲法裁判所の以前の判例からして、この種の国際法協定は憲法に符合しないという結論しか考えられないと言っている。

 先月のハノーバーでのCetaおよびTTIP反対デモには3万人が参加した。昨年は25万人が参加した同様なデモがベルリンであった。訴訟はこうした世論に支えられている。

 Trade deal protest heads for German court,FT.com,16.5.30

 Protest against US-Canada deal head to German court,Financial Times,16.5.31,p.4

 それにしても、日本人の憲法・民主主義意識はどうなっているのだろう。