農業情報研究所グローバリゼーション二国間関係・地域協力ニュース-TPP・カナダ・メキシコ:2016年1月29日

自動車をめぐる日米裏取引でメキシコ・カナダがTPP離脱も メキシコ・カナダ大使が示唆

 カナダ紙が報じるところによると、TPP交渉における自動車に関する日米の裏取引がカナダとメキシコのTPP参加をためらわせ、TPP全体を破産させる可能性がある。

 本日、カナダのケベックで、カナダ・米国・メキシコの外相が来るべき北米サミットについて議論する。全体的には”スマイル”いっぱいの会議になるだろう。ただい一点、貿易をめぐってはカナダとメキシコが米国と角突き合わせることになりそうだ。北米全体の一層の繁栄の鍵を握るのはカナダ・メキシコ二国間協力の強化だという認識がある。米国の食肉原産国表示に対するWTOでの戦いは両国の協力で勝利することができた。そして、最近の自動車をめぐる最近のTPP交渉でも、両国の協力で協定の重要な修正を勝ちとった。

 ところが、TPP交渉の影で行われた自動車に関する日米”裏取引”が、8月のハワイでの会合での合意の希望を台無しにしてしまった。メキシコのフランシスコ・スアレス大使はカナディアン・プレスに対し、「日本-米国のサイド・ディールはTPP全体を危険にさらし、カナダとメキシコに不意打ちをくらわせた」。「このサイド・ディールは受け入れがたい」と述べている。

 日米協定は高度に統合された北米自動車部門における日本製車部品のシェアを引き上げるだろう。それはTPPの運命を狂わせる。スアレス大使は、「両国がTPPに参加しない可能性がある」と、TPP破産を示唆する。

 TPP casts shadow as North American ministers set to meet in Quebec,Globe and Mail,16.1.29