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イギリス:環境相、アフリカへのGM食品援助強制に怒り

農業情報研究所(WAPIC)

2002.12.3

 イギリスの「インディペンデント」紙が報じるところによると、ミーチャー環境担当相が、先週末、飢餓に瀕する国に援助遺伝子組み換え(GM)食品の受け入れを強制するのは「あくどい」ことだと怒りをあらわにした。

 ザンビア、マラウィ、モザンビーク、その他の南部アフリカ諸国は、1,200万もの人々が飢餓の脅威にさらされている。それにもかかわらず、米国からのGM食品援助を拒んできた。米国は非GM穀物をという要請を拒み、米国高官は米国民はGM食品を食べているが、悪影響はないと主張、ある者は「乞食が選ぶことはできない」とまで言っている。

 しかし、アフリカ諸政府は、GM食品の健康影響は分かっていないし、貧しい農民が新たな作物を育てるためにGM穀物を植えざるを得なくなり、そうなればヨーロッパに輸出できなくなると言う。

 専門家から沢山の非GM食品が利用できると聞かされたミーチャー氏は、先週、「それほど過剰な非GM食品が利用できるときに、GM政策のためにGM食品を強制するのは、あくどいことだ。怒りが活用される必要がある場所があるとすれば、それはまさにここだ」と、米国政府が強引に推進する政策に対する「怒りの活用」を要請した。

 エチオピア環境保護庁のマネージャーやGM食品に関する第三世界指導機関のある者は、米国は、GM食品「推進のために飢餓を利用している」と非難している。エチオピアでも1,400万の人々が飢餓に直面している。この国も、栽培されるのを防ぐために、粉にされるのでなければGM食品を受け入れないだろうという。

 US policy on aid is 'wicked' ? Meacher,Independent,12.1

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