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モンサント、ブラジルの違法GM大豆輸出企業に補償を求める

農業情報研究所(WAPIC)

03.9.22

 ブラジルに遺伝子組み換え(GM)ラウンドアップ・レディー大豆を正式承認させるために6年間にわたり苦戦してきたモンサント社が戦術転換を決めた。違法栽培されたGM大豆を輸出する企業に補償を求めるのだという。18日付のSouthwest Farm Press(Magagine)の記事(Monsanto sues over RR soybeans)が伝えている。

 政府は、ブラジルで最近収穫された大豆の8%から22%がラウンドアップ・レディー大豆と推定している。南部のヒオ・グランデ・ド・スゥ州では、この比率は70%に達すると見られる。これらの種子の大部分はブラック・マーケットで販売されるか、前期の収穫から保存されたものである。モンサント社は、その知的所有権を認め、同社に適正な補償を支払う協定を結ぶ企業にこれら大豆の輸出を許することにするという。

 ブラジルでGM大豆が広範に栽培されていることは、世界で公然の秘密となっている。正式承認していない政府も、これを知りながら、有効に抑えることができなかった。今年に限っての輸出も認めざるをえなかった。モンサントの戦術転換は、これを逆用して実利の確保に走ったものであろう。ブラジル政府も、GM作物を正式に認めるのか、禁止するのか、早急な決断を迫られている。

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