ベルギー政府、GMナタネ栽培を拒否―EUでの栽培の道を閉ざす

農業情報研究所

04.2.3

 2日、ベルギーの保健相と環境相が、ドイツ・バイエル社によるEUにおけるGMナタネ栽培の許可申請を拒否した(ただし、食品・加工用には承認)。非GMナタネの「汚染」のリスクが大きいとした連邦諮問機関・バイオセキュリティー委員会の意見に従ったものである。専門家の意見は、とくにGMナタネ栽培は通常ナタネの栽培よりも環境に有害だという昨年の英国のフィールド実験評価報告(⇒英国:GM作物農場実験評価報告発表,03.10.18)に留意したという。

 EUのGM作物新規承認の申請は、EUレベルでの審査の前に、申請が出された国の当局が審査する。そこでの審査結果が他のEU諸国に報告されてEUレベルの審査手続が始まる。しかし、この場合には申請を受けたベルギー当局が許可を与えなかったのだから、事実上、審査は終結したと見ることができる。他の加盟国が再審査を要求する道がまったくないわけではないが、ベルギーの決定に従うのはほぼ間違いない。このナタネの栽培への道は、事実上閉ざされたことになる。

農業情報研究所

グローバリゼーション 食品安全 遺伝子組み換え 狂牛病 農業・農村・食料 環境