GMO国際移動新ルール採択―カルタへナ議定書会合、米国の主張を退ける

農業情報研究所

04.2.28

 バイオセーフティーに関するカルタヘナ議定書を批准したEUと86ヵ国は27日、未調印の米国その他の輸出国の反対を抑え、遺伝子組み換え生物(GMO)の国際貿易の安全性を高めるための文書証明その他の手続に関する国際ルールを採択した。

 このルールの下では、食料・飼料・加工用のすべてのGMOの積荷に付す文書証明は「GMOを含み得る」ことを明かにせねばならず、輸入者・輸出者・その他適切な当局のコンタクトの詳細を示さねばならない。しかし、これらの積荷が含み得る、またGMOなしとされるGMOの比率をどうするか、何らかの追加的情報が必要かどうか、これらの重要問題はなお未解決である。これらの問題は、来年開かれる会合で論議される。

 直接環境に放出することを意図したGMO(種子や魚など)については一層詳細な要件が合意された。これらの積荷は、封じ込められた利用に向けられるものであることが明確に確認できるものでなければならない。

 証明文書は、GMOの通称、科学名、商品名、唯一の識別コード、取り扱いと貯蔵の要件、緊急時のコンタクトの詳細、GMOの利用法を明記せねばならない。

 議定書が遵守されない場合の遵守を促し、このような国を支援するための手続とメカニズムも採択された。また、GMOの国境を超えた移動から生じる損害に関する責任と賠償に関する法律・技術専門家のグループが立ち上げられ、2008年までに制度を開発することが要請された。

 米国は議定書に調印していないが、調印国に輸出するときににはこのルールに従わざるを得ないだろう。GMO輸出に大きな制約を受けることになる。議定書の効力を弱めようとする米国の目論見は、取りあえず退けられた。

 ニュースソース
 New rules on GMOs adopted,New Straits Times,2.28.
 International conference deals blow to US on labelling of gene modified food,FT.com-world,2.28.
 Accord sur une réglementation des exportations d'OGM,Agrisalon,2.27

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