米国連邦地裁 USDAのハワイでの薬品生産GM作物栽培許可は違法の判決(速報)

農業情報研究所(WAPIC)

06.8.16

 米国連邦地裁判事が10日、米国農務省(USDA)がハワイ全域での薬品生産遺伝子組み換え(GM)作物の栽培を許可したのは絶滅危惧種法(ESA)に違反するという判決を下した。このような作物の栽培はハワイの329の絶滅に瀕し、あるいは危機にさらされている種を危険に曝すと言う。判決は、さらに、USDAは栽培承認に先立つ調査の実施を怠ったことで、国家環境政策法にも違反するとした。

 これは薬品や工業製品を生産するGM作物に関する最初の連邦裁判所の判断となる。USDAは2001年から2003年にかけて、カウアイ、オアフ、モロカイ、マウイの800エーカーにのぼる様々なサイトで、モンサント、プロディジーン、ガースト・シード・カンパニー、ハワイ農業研究センターが薬 品生産トウモロコシと砂糖キビを栽培することを許可した。2003年11月、食品安全センター、地球の友、農薬行動ネットワーク・北アメリカ、ハワイ環境連合(KAHEA)がこれを告訴していた。

 判決文:http://www.earthjustice.org/library/legal_docs/hawaii-biopharm-order-81096.pdf

 関連ニュース
 Biotech Crops Attacked,The Washington Post,8.16

 関連情報(WAPIC)
 米国農務省監査局 GM作物屋外実験規制監査報告 当局は実験サイトの位置さえ知らない,06.1.4
 
薬品生産GM食用作物、米国農務省に屋外栽培禁止要請―憂慮する科学者同盟,04.12.22
 
米国:農務省、薬品等生産用GM作物の実験ルール厳格化を発表,03.3.8